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緑 side
…言うてもた。
ヤスが外してるんを良いことに…調子に乗ってたわけやないけど、めっちゃ恥ずい。
「ボクノホウガ
カノジョヲ
アイシテル〜♪
ってかぁ?良えで、良えで!」
嬉しそうにオレをおちょくる横山くんの声が聞こえて来る…この短時間に、絶対ようけ飲んだな。
「まぁ、良えがな。けどなぁ、たつ。よう聞けよ」
八重歯のお母ちゃんの諭す声が、オレを正気に戻す。
「何?」
「こんな時に言いたないけど、絶対、色々有るからな。気ぃつけぇよ」
「…うん」
「ほなな。ヤスによろしく」
「うん」
「ヤスをよろしく」
びっくりするぐらい、優しい声。
「なぁ、ヒナまだぁ〜?そろそろ俺の相手もしてぇやぁ〜」
絶句してたら、横山くんのうっとおしい程甘えた声が聞こえて来た。
腹立つから、もっと引っ張ったろかと思ったけど…信ちゃんはクスッと笑って、
「ほんならな」
と、オレの返事も待たずに電話を切った。
…完全に調子を崩された。
特大の溜め息をついて、頭を抱えていたら…ヤスが部屋に戻って来た。
「どないしたん?」
ゆったりした、ものの言い方が好き。
「あ、ヤスお帰り」
「電話…終わったん?」
頷いて手招きすれば、隣に並んで座りやる…。
「ちゃうやろ」
天然なトコも堪らんわ。
笑けてきて、腕を引いて、膝の間に座らせる。
「ヤス、好き…」
抱きしめて背中越しに囁いたら。
「おれも」
振り返って、真っ直ぐ言うてくれた。
嬉しくて、思わずキスしたら、
「…ぁっ、ちょ、おーくら…ぁ…あ…」
可愛い声で鳴くから。
「好き…あかん?」
もう、我慢なんか出来るかよ。
その後は、色々ゴチャゴチャ言うとったけど…あんまり覚えてへん。
「あっ、ぁあ…ぁかんて、おーくらぁ…」
「大丈夫やって」
床の上で、キスマの付きにくいヤスの肌に、オレの痕跡を残すように。
「ちゃう、ちゃうから…そんなん…ぁっ、やぁっ…ん…」
優しく、優しく。
出来うる限りの優しさで、辿ってたら。
それだけで、小さく身震いして…ヤスは達した。
「…え?」
まだ下穿きも脱がしてへんのに。
「せやから、あかん言うたのに…」
涙ぐんで、真っ赤になって言うから。
「ごめん、ごめん。ほな、風呂行こか?」
「…嫌。おーくら、嫌いやから、一人で行く」
「そんなん、言うなや」
そんな、可愛らしい顔と声で。
嘘でも言わんといて欲しい。
…酷いこと、してまいそうになるから。
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蒼乃碧(プロフ) - mimiajioveさん» コメントありがとうございました!ようやく移行完了でございます!良かったらまた読んでやってくださいませm(__)m (2018年7月19日 15時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
mimiajiove(プロフ) - シヨウヨ2楽しみです!頑張ってください! (2018年7月11日 2時) (レス) id: 15ac791737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼乃碧 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月3日 8時