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青 side

スマホをおーくらに渡して、部屋を出た。

酔いだけじゃない、顔の火照りを冷やすため、洗面所を借りて顔を洗う。

…何でもあんな事、言うたんやろ。

出過ぎたことを言ってしもて…あんなこと、おれが言わなくても、信ちゃんは流石で、自力で解決してたのに。

あんなこと言うて…おれがおーくらにして欲しいって思われたら、嫌やなぁ。

部屋に戻ると、おーくらはスマホを片手に頭を抱えていた。

「どないしたん?」

「あ、ヤスお帰り」

「電話…終わったん?」

おーくらは頷くと、俺に手招きする。

呼ばれるまま、おーくらの隣に座ると、

「ちゃうやろ」

仕方ないなぁ、って笑われて。

腕を引かれて膝の間に座らされた。

「ヤス、好き…」

背中越しに囁かれたから。

「おれも」

振り返って、真っ直ぐに向き合うと、噛み付くようにキスされた。

「…ぁっ、ちょ、おーくら…ぁ…あ…」

「好き…あかん?」

欲を孕んだ、おーくらの顔なんか今まで何度も見て来てるはずなのに。

こんな風に夜を過ごすのは、初めてじゃないのに。

ドキドキして…胸が苦しいのは何でやろ。

「ぁかんくないけど…加減してや?」

多分それは。

「…出来るかな」

真面目な顔で答えるおーくらに、吹き出しそうになる。

気持ちを伝え合えたから、何があるってわけじゃないけど。

「言うとくけど、おれしばらくロケ続くんやからな」

何でやろな。

「なんなん、それ」

こんなに、おれ…安心するねん。

「後は、お前を信頼する」

それは多分。

「…そんなん言われたら、イロイロやり難いわ〜」

おーくらに気持ちを伝えて…同じ気持ちやったから。

「言うたかて、やることやろが」

たったそれだけのことで。

「…うん」

頷くおーくらを、可愛(かい)

らしいなぁ、なんて思いながら。

おれはこんなに満たされる。

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設定タグ:倉安 , まるすば , ヨコヒナ   
作品ジャンル:恋愛
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蒼乃碧(プロフ) - mimiajioveさん» コメントありがとうございました!ようやく移行完了でございます!良かったらまた読んでやってくださいませm(__)m (2018年7月19日 15時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
mimiajiove(プロフ) - シヨウヨ2楽しみです!頑張ってください! (2018年7月11日 2時) (レス) id: 15ac791737 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼乃碧 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年9月3日 8時

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