緑家の夜 ページ6
「兄ちゃんのしたこと、ええことなん?」
「…丈くんが大事にしてる店を守るためとは言うても…もうちょっとやり方が有ったんちゃう?」
「せーやくんにも聞いたねんで!」
三人の弟たちが口々に責め立て、末っ子は、黙って聞いてる。
…言うとくけど、俺そんなに悪いことしてへんで?
「家のことは、全部お前に任せる」
ってオヤジが経営していた会社を人手に渡し、早々にリタイヤして、オカン共々海外のリゾート地に旅立ってから早や幾年。
家屋敷もろもろの財産は全部俺に生前贈与して、弟たちには、俺が下手こいても路頭に迷わんように色々手配して下さって…るのはええんやけど、弟四人とも置いていかんでもええやんか。
まぁ、そうは言ってもウチの弟は、四人ともホンマに手のかからん
仕事も、オヤジの会社とは別に、好きなことさせてもらってて、その経営もボチボチ上手くいってて。
…俺の人生わりかしイージーモード、って言うたら烏滸がましいねんけど…物足らない感じが、ずっとしていた。
俺の周りに集まる人たちは、男も女も大抵、何かしらオコボレ?に預かろうとする人らばっかり。
…オコボレなんか、何もあらへんのに。
そんな時にあった、ドリアイで年に一度有るか無いかの、不祝儀。
近所やし、それなりに手伝いして、諸々終わったあの夜。
公園で…夜空を睨みつけるように見上げてる、あの子に出逢った。
「もう、落ち着かれましたか?」
って声かけたら、
「はい、おかげさまで」
ってちょっと寂しそうに笑ってた。
その笑顔にドキッとしたのも有るけど…立ち話もなんやから、って言おうと思ったら。
「…ちょっと相談に乗って頂きたいことがあるんです…お時間頂けますか?」
って、あの子の方から、誘って来たんよ。
「ほんで、にーちゃんは何したん?オレらに言えること?」
いえ、言えません…だってお前ら二人、まだ未成年やもん!
それに兄弟にそんなん言うの、ナマナマしいやん///
「…公序良俗ギリギリアウトって感じやな。当分の間、あちらの家とは万事自粛ってことで。お前らには悪いけど」
次男智洋が厳かに決を下すと、三男和也はうな垂れ、四男晶哉は俺を睨みつけた。
だから、大したことはシてないってば!!!
蔑むように見下ろす八つの目に、俺はがっくりとうなだれた。
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蒼乃碧(プロフ) - ありえへんコンビの嫁さん» コメントありがとうございますm(__)m頑張ります! (2021年10月8日 23時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
ありえへんコンビの嫁(プロフ) - 更新頑張ってください! (2021年10月8日 20時) (レス) @page4 id: 39f9ce47b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼乃碧 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年10月6日 1時