キミの夢を見ていた (ページ17)

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『ごめんな、A。』

なんで、あの時あんな事言ったんやろ。

謝ったら自分の気が楽になるとでも思ったのだろうか。

『....誠司さん？』

あの、困惑した顔。

『Aはね、誠司くんとのこと、全部忘れているみたいなの。』

『もう、Aには関わらないでほしい。』

罪は消えないのに。

１８「まーた、怖い顔してる。」

２２「あっ、ごめん。」

沖縄行きの飛行機。隣は智之だった。

１８「なんかあったんだろ。」

２２「よく、わかるな。」

１８「まあ、お前はともかくAはわかりやすいからな。」

２２「確かに笑」

Aには、ここ数日避けられているように感じる。

でも、正直それは自分には都合が良い気がして。

２２「このまま、俺のことなんかもう一回忘れてくれたらって思うねん。」

１８「それ本心？」

２２「....わからん」

隠し通せると思っていた。

だけど、彼女に自分からヒントを与えてしまった。

１８「この際、もう全部話しちゃえば？」

２２「あかん。傷つくのはAや。俺じゃない。」

智之は、納得してない表情だったけど、それ以上は言って来なかった。

飛行機が降下を始める。

窓から見えるのは真っ青な海。

明日からのキャンプ。

結果を残したい。

必死にAのことを頭の中から消し去ろうとする自分に

飛行機の窓に写ったもう一人の自分が「アホやな」と笑った気がして

それ以上自分の顔は見れんかった