助けてくれたのは

過去 ページ16

母「お前なんか産まなきゃ良かった！！」

父「お前のせいで金も何もかもが無くなった！」

母「どうしてくれるのよ！！」

愛野「痛い…やめてよ…」

父「痛い？やめて？誰に向かってそんなに口聞いてんだよっ！」

愛野「ｳｯｯｯ…」

母「産んでやったのは私たちよ？そんな産みの親に逆らうつもり？まぁ、産んで後悔したけど」

痛い、イタイイタイイタイ

何もかも痛い

心も体も何もかもが

父「はぁ、パチンコ行ってくるわ」

母「ﾁｯ、勝ってこいよ」

父「わーてる」

母「私もタバコ買いに行こーとっ」

そうして2人は出ていった

これが中学三年生の夏









医者「愛野さんの娘さんですね？」

愛野「はい…そうですけど…」

医者「ご両親が死亡されました」

愛野「は？」

医者「交通事故にあいそのまま…」

愛野「そ、ですか、ご連絡ありがとうございます」

そうして電話を切った
正直、全然悲しくなかった
だって私に、暴力や罵声を浴びせたヤツらだ
悲しい気持ちなんて生まれるわけが無い
でもお金が無い
どうしよう…

あ、そうか
［体を売ればいいんだ］
これが中学三年生の夏









愛されてる
男に抱かれて金貰って
感覚がおかしくなったのかなぁ…
この時だけ
この一瞬だけ
愛されてるような気分に陥る
きっとこれは間違った愛なんだろう
でも私は正しい愛を知らない









うらた「お前いい加減やめたら？」

小学校の時からの幼馴染に言われた言葉

愛野「は？なんの事？」

志麻「体売ってること」

センラ「あんな親やったとはいえ悲しむんとちゃうか？」

坂田「そんなんでええんか？」

は？
みんなは私の気持ちを分かってない

愛野「みんな…」

愛野「みんな私のことわかってない！！いいよね！？みんなは！だって普通の愛を貰って育てられたんだもん！私は愛されてなかった！愛を貰ってなかった！体売って！金もらって！それが愛されてるって感じることの何が悪いって言うわけ！？男も！私も！お互いに条件満たしてる！向こうは欲を発散したい、女を抱きたい、こっちは金もらって愛を感じたい、一石二鳥の関係をやめろ？ふざけないでよ！」

私が初めて激怒した日だった
その時の4人の顔は今でも忘れない
これが中学三年生の冬

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