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半年前 ページ13

ー 半年と少し前 ー




『ハッピーバースデー!麟児くん…!!』



麟「ありがとう、A」



『昨日ケーキは食べたって千佳から聞いたから…じゃーん!クッキー作ってみました!!』



麟「クッキー……?」



『ちょ、ちょっと見た目は悪いけど!!……ていうか、味も良くないけど…生クリームいっぱい付けたら味わかんないから!!』



麟「いや、このままいただくよ。せっかくだし………凄い味だな」



『だから言ったじゃん!!!!』



麟「でも嬉しいよ」



『!…り、麟児くんのために作ったんだよ』



麟「ああ、普段料理しないのに頑張ってくれたんだな」



『これから上手くなるし!!』



麟「じゃあ、来年も……」



『!うん、作るよ!!』



麟「…いや」



『!?私の作ったものは食べれないって!?』



麟「…冗談だ。待ってるよ」



『任せて!……あの、あのね、麟児くん…私』



麟「何で公園だったんだ?」



『え?』



麟「祝ってくれるの、別に俺の家でもAの部屋でも良かったんじゃないか?」



『あ、えっと…雨取家だとみんなに気遣わせちゃいそうだし、私の部屋は……ほら、基地の中にあるから』



麟「そうか…部外者は中には入れないのか」



『そりゃそうだよ!?』



麟「俺も気になるんだがな」



『!ダメ……!!!絶対ダメ!!!麟児くんは千佳のそばにいて!!』



麟「…ああ、分かってるよ。4月とはいえ肌寒いな。そろそろ帰るか」



『!……そうだね』



麟「ほら、手」



『!!』



麟児くんは分かっててやってるのかな



麟児くんにとっては私は妹みたいなもの



でも、私はずっと……





『好き』





『好きだよ、麟児くん』








麟「__ああ、俺も好きだよ。どうしたんだ、急に」




『!……あはは、言いたくなっただけ!!』





多分あの時、はぐらかされたんだ






5月1日




千「っ…Aちゃん……!!兄さんが!!」







『ぇ』






麟児くんは、消えた










プルルッ『!……はい、霧咲です』



迅《A、朗報だ》



『!迅くん??』



迅《メガネくん、起きたみたいだぞ》



『………!!すぐ行く!!!』




大切な人を守りたい




守るための力を、もっと……

釘→←1年前



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作者名:お米 | 作成日時:2021年8月28日 19時

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