言えない ページ11
『はい、千佳。みかんジュースで良かった??』
雨「うん、ありがとう…!Aちゃんほんとに久しぶりだね」
『…うん、久しぶり!びっくりしたんだよ〜??千佳がC級の隊服着てて、しかも狙われてるし!!』
雨「あ、そうだよね…!Aちゃんには言ってなかったから…修くんたちと玉狛に入ったの」
…こうならないように、気をつけてたはずなんだけど
『千佳は麟児くんを捜しに行きたいの?』
雨「!うん…!!わたしも、修くんやAちゃんと戦って、自分で兄さん達を捜したい」
ダメ
絶対ダメ
『そっか、どこのポジション?』
雨「狙撃手でレイジさんに教わってるの」
『レイジさんか…それなら絶対強くなれるね!』
雨「うん!」
強くなんかならなくていい
お願いだから何もしないで
…お願いだから、私の前からいなくならないで……
雨「Aちゃん、あのね…わたしずっと言いたかったことが」
プルルップルルッ『!…ごめん、千佳』
雨「大丈夫!」
『はい、霧咲です。…忍田さん?』
忍《A、この間話していた仮想空間が完成した。鬼怒田さんの所まで行けばすぐにでも使えると思うぞ》
『!ありがとうございます!!凄い早いじゃないですか!』
忍《礼なら鬼怒田さんに言うんだな。では、また》
『はい!…ごめん千佳、お待たせ!なにか言おうとしてたよね?』
雨「あ…ううん、また今度で大丈夫!」
『そう?……』
雨「Aちゃん?」
……向き合わなきゃ
私が、言うんだ。ダメだって。千佳には戦わせられないって
敵に狙われるほどのトリオン量を持ってることも危なすぎる。こんなに優しい子が踏み込んでいいことじゃない
『……千佳は…』
ボーダーに入るべきじゃないんだよ
『…………久しぶりに会った千佳がさらに可愛くなってて私ちょっと心配になっちゃった!!』
雨「そ、そんなことないよ」
言えない…言えるわけが無い
『千佳はほんとに天使みたいだから!!…じゃあ私、本部に行くね。また!』
雨「!うん!!」
【私が千佳を守るからね…!!】
今回「も」自分の力で守れなかった私が言えるわけない
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作者名:お米 | 作成日時:2021年8月28日 19時