兄の心妹知らず ページ38
フエゴレオンside
入団試験を終え、合格者の発表に移ったころから妹の姿が見えなくなった。
なにかあったのだろうか
気がかりではあったが、私は団長として受験生を選ばねばならない身。
今の私がすべきことは、受験生と真摯に向き合い団にとって必要な人材を見極めることだ。
「27番、紅蓮の獅子王団！」
そんな思いを胸にフエゴレオンは手を挙げるのだった。
ーーーーー…
全員の合否が決死しても未だに戻らぬAを探しに行こうと思った時、突然現れた魔法帝に呼ばれた。
「は…？」
魔法帝からAが今置かれている状況について説明を受け、気の抜けた声を出してしまった。
「……妹は、無事なのですよね？」
「あぁ、今はまだ帰る受験生たちを見送ってくれているよ。動きがあるとすればこの後…彼女が1人になった時だろうね。」
「…」
魔法帝の考えに口を出すほどの権利は、私には無い。
また、今更何かしてやれることもないだろう。
…強いて言うなら、無事に受験生たちを率いて団に戻ることだろうか。
不甲斐なく思っていることが顔に出ていたのか、魔法帝は言葉を続けた。
「大切な妹君を危険に晒してしまってすまない。
心配するなとは言わないけど、彼女は強いし、僕も行くから安心して欲しい。」
「元より、貴方に意見するつもりはありません。
……妹を宜しくお願いします」
「うん。(…言葉ではそう言っていても、そんなに怖い顔してたら一緒なんだけどな…。フエゴレオンも、Aちゃんのことになるとまだまだだね。)」
こうして魔法帝と別れた私は彼らを信じて先に拠点へと戻った。
ーーーーー…
「…只今戻りました……」
あれから暫くして遠慮がちに妹が戻ってきた。
どうやら私に怒られると思っているらしく眉を下げ肩をすぼめて小さくなっている。
実力ある魔道士だと分かってはいるが目の前の彼女を見ていると、どうしても守れなければならない存在と認識してしまう。
戦闘が伴うような危険な任務には付かせたくないし、可能な限り自分の側においておきたいと思う。
…団長として、優秀な彼女を遊ばせておく訳には行かず渋々任務に送り出しているが。
「…何かあれば相談するように言ったはずだが？」
せめてAがどういう状況に置かれているのか把握し、もしも助けが必要だと言うのなら何とかして力になってやりたいと思う。
せめて、もっと早い段階で相談してほしかったのだ。
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ふーじー。(プロフ) - コメント下さった方々、ありがとうございます！続編の方もよろしければお願いします( ´ ` ) (2020年10月21日 21時) (
レス) id: 594ed5f1a0 (このIDを非表示/違反報告)
メガネコ(プロフ) - こんにちは！！とっても面白くて素敵なお話だと思いました！！ これからも、更新楽しみに待たせていただきますね！！ (2020年10月15日 14時) (レス) id: acba606f80 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 面白いです!更新頑張って下さい､､! (2020年10月12日 16時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
ふーじー。(プロフ) - コメントくださった方ありがとうございます！嬉しいです！これからも頑張ります…！ (2020年10月8日 19時) (レス) id: e1e44de3d6 (このIDを非表示/違反報告)
ミノル - 悩むフエゴレオンさんが、可愛い！！サイコーです！嗚呼、マジ尊い、、更新ありがとうございます！！ (2020年10月7日 18時) (レス) id: 6c7edba7fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふーじー。 | 作成日時：2020年9月30日 0時
