入学式 ページ3
「すみません、隣り…よろしいですか？」
Aは緊張している入間の手を引き、率先して席を確保しに行く。
のはいいのだが、よりによって声をかけたのはAや入間の倍以上の体格をしたおっかない悪魔2人だった。
「あぁん？…！し、仕方ねぇなぁ…」
振り返っ悪魔のた顔はなんとも凶悪で今にも殴られそう…と思ったのも束の間。
Aを認識すると途端に頬を染めて顔をぷいっと背けた。
もちろんAと入間が座るスペースはきちんと開けてくれる。
「あ、あああのっ、Aさん…」
「呼び捨てでいいよ？」
「えぇ……じゃあ、A…ちゃん、
その、もっと端っこの席でも良かったんじゃ…」
そう涙目で抗議する入間の声はマイク越しに響いた司会の教師の声でかき消された。
「お待たせ致しました。午前6時6分、只今より悪魔学校バビルス、入学式を始めます！」
一同起立、校歌斉唱
その合図でA初め入間以外の悪魔たちは一斉に立ち上がり、彼も慌てて合わせる。
「(あ、でもちゃんと学校らしいことするんだ…)」
人間の学校と同じような流れで進む入学式に、内心では少し安堵する入間だったが、校歌の歌詞を聞いて前言撤回することになる。
"人間丸々 我等の食い物"
"魂、血と肉、残さず啜れ"
"黒き翼の羽ばたく 音に"
"慄け ものども 我らは悪魔"
「(空気…僕は空気……)」
"紅き口から零れる 歌に"
"叫べよものども 我らは悪魔"
「(絶対に目立たないようにしよう)」
校歌斉唱とともに決意を固める入間であった。
「えー、続きまして、理事長挨拶…」
「よっ、次期魔王！」
司会の声に悪魔たちは口々にそう言って、ガヤガヤと盛り上がる。
「(魔王って…悪魔の王…？)」
疑問符を浮かべる入間だったが、次の瞬間、聞き覚えのある声に名前を呼ばれ我に返る。
「入間く〜ん！おじいちゃんだよ〜っ！！」
「理事長だったぁぁぁ！！！」
ズコーっと見事にコケる入間だったが、つい声を上げてしまったことを後悔し口を手で塞ぐ。
「あれ、知らなかったの？」
「初耳だよ…お願いだから余計なこと言わないd「そんな孫と撮った1枚がコレです！」
どんどん話を進めるサリバンは先程の写真を拡大したものをドドンと公開する。
「
「ははは、即顔バレしたね」
今度は顔を両手で覆い、唸る入間の隣では相変わらずAがにこにこ笑顔を浮かべていた。
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にゃ−ちゃん - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年5月23日 22時) (
レス) id: e414f5566f (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 更新頑張ってください…応援してます。 (2021年5月11日 5時) (レス) id: 7cfed39eff (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - 面白いっすねこれからも更新がんばってくださいね (2020年4月27日 23時) (レス) id: c22a47d948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふーじー。 | 作成日時：2020年3月25日 12時
