入学式 ページ2
「あ、宜しければお写真…お撮りしましょうか？」
孫自慢が凄まじいサリバンにAが気を利かせて言う。
「いえ、それなら私が…」
そこにすかさずオペラさんが入ってくる。
「Aちゃんは名家のご令嬢だからね、オペラも気を遣ってるんだよ。」
ま、それだけが理由じゃないだろうけど
Aとオペラのやり取りを不思議そうに眺める入間にサリバンが耳打ちする。
最後の言葉の意味を聞こうとしたが、それはA本人の声によってかき消された。
「はい、取りますよー！デビーっ！！」
なんだかんだで押し負けたオペラさんも加わって、入間たちは3人で記念撮影をした。
「ありがとう、Aちゃん！」
その写真を手にしてぴょんぴょんとはしゃぐサリバン
「いえいえ〜。あ、入間くんも新入生だよね？
よかったら一緒に行かない？」
入学式、と言って笑うAの言葉に、ホワホワと和んでいた入間は我に返り一気に青ざめた。
「良かったね、入間くん！
Aちゃんはすっごくいい子だから、大丈夫だよ！(小声)
それじゃ、僕は用があるから先に行くね！」
途中、入間くんになにか小声で伝えて、サリバン様は姿を消した。
「えっ、あの…オペラさんは…？」
「行ってらっしゃいませ」
突然のことにまた動揺する入間はオペラに助けを求めたが、会えなく送り出された。
もう頼れるのは目の前でずっとニコニコしているAだけだった………
「さ、講堂はあっちだよ」
こうしてAと入間は2人で講堂を目指す。
「あっ、ヴィネ家のA様よ！」
「美しい〜！」
「はぁ、お綺麗だわぁ…憧れるわぁ…」
「？」
すれ違う悪魔たちがAの方をみてコソコソと何かを話しているのが気になった入間だが、当の本人は一切拘泥しないので、入間も黙って彼女について行く。
「あ、ここだね」
すると直ぐに大きな建物の前にたどり着いた。
「(ひぃぃぃ…；)」
そしてそこには163名の新入生もとい悪魔がひきしめきあっていた。
当然の如く入間は冷や汗をダラダラと流す。
「どうしたの？」
「あっ、ちょっと…緊張シチャッテ………」
「ふぅん？大丈夫だよ、入学式なんて座ってれば終わるから！」
ニッ、と笑うAの顔はサリバンたちの前にいた時よりも心做しか幼く、そして悪戯っぽく入間の目に映った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃ−ちゃん - とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年5月23日 22時) (
レス) id: e414f5566f (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 更新頑張ってください…応援してます。 (2021年5月11日 5時) (レス) id: 7cfed39eff (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - 面白いっすねこれからも更新がんばってくださいね (2020年4月27日 23時) (レス) id: c22a47d948 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふーじー。 | 作成日時：2020年3月25日 12時
