捌 ページ8
ずっと無言で歩く背中を追っていると、
大きな扉の前に来た。
重そうなその戸を片手でひょいと開けて
更に奥へ進んでいく。
菫の間に行く時同様、もう道は分からない。
何度か往復して体に叩き込まないと覚えられなさそう。
確かに大きい旅館だとは思ったけどこんなに複雑なのかと
頭を抱えたくなる。
こっちは従業員専用になってるみたい。
でもあんなに歩いて従業員というのを見たのは
あの子供たち1回きり。
あの数と年齢じゃお客さんは回せないだろうし…
どこかしらに配置されてるのかな。
『ここや』
いきなり止まるから背中に突進しそうになった。
前を見ずキョロキョロしてた私が悪いけど。
正面の背中からひょいと抜け出て
曼珠沙華と呼ばれる部屋へ入る。
私1人にこんなにスペースを与えるのは
もったいないと思うほど中は広かった。
｢いいの？こんな広い部屋｣
『崇裕がええ言うてんからええやろ』
相変わらずの冷たい言い方。
別に傷つきはしないけど
もう少し柔らかかったらモテそうとか思ったり。
あ、あたしだけかこの態度は。
崇裕さんとか子供たちにはもうちょっと目が優しかったもんな。
そりゃしょうがない。
『俺外で待っとるからまずこれに着替えて』
部屋の押し入れをガサガサと漁り取り出した
1枚の綺麗な紫色の着物。
着物は着たことないけど…何とかなるでしょう。
大人しく頷いて受け取る。
『で、着替えたら施設の案内するから』
｢分かった｣
『ん。じゃあ』
音を立てずスっと出ていった望くんが襖を閉める。
旅館だから、着物が正装なのかな。
でもそうだとしたら望くんは別に和服じゃなかったけど。
まあいいや。
ぱっぱと着替えないと機嫌悪くなりそうだし。
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
