She does not put a lie. (ページ10)

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いっそ触れられない場所へページ10

-BH SIDE-

まだ練習生になって数ヶ月の俺がなぜか
社長に呼び出された。

社長にはこれからはデビューチームに入って
練習しろって言われた。
正直嬉しかった。評価されてるんだ
夢を叶えるのに一歩近づいたんだって

デビューチームに入ってから
君たちは他の練習生たちとは違うんだよ
と言われ続けさらに上をさらに努力をって、
今はたくさん頑張らなきゃいけない時だって
だから前までのことは忘れなさいって。

レッスンから私生活まで厳しく管理されてた。
前使っていたスマホは没収されて
支給された新しいスマホには
家族と事務所関係の人以外の登録は厳禁だった

どんなことでも先生にはバレてたみたいで、
イ・Aと付き合ってるのかって。

付き合ってません。

そう答えた、だって事実だから。
でも好きだった、ずっと伝えようとした

デビュー前のスキャンダルなんて御法度だから
お互いのために、もしそうなら諦めなさい
チームに迷惑がかかるからと言われた

その言葉に俺はなにも言い返せなかった。
その通りだなって

ある日、レッスンの後試しに
レコーディングをしてから
迎えを待つように言われた。
レコーディング室で待ってると
まさかのAが声をかけて来た。

何でそんな泣きそうな顔してるの

A「スマホ、変えたの？」

もしかしてメールや電話くれたのかな。
ごめん何も言えなくて

A「大変そうだね」

そんな心配そうに見ないで

A「デビュー決まってよかったよ」

みんなは元気か？聞く余裕もない
久しぶりに会えて嬉しいよとも言えない

「Aも頑張れ、先に待ってるから」

振り絞った最大の言葉だった

ほんとは、頑張れって抱きしめて欲しかった
俺も今すぐ抱きしめて頭を撫でてやりたかった。

これ以上一緒にいたら
張り詰めてた糸が切れると思って
迎えなんてきてないのに嘘をついて、
その場から去った。

それから数ヶ月後に俺は"EXO"として
デビューした。