【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ41)

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紹介1 ページ41

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車が廃車になるほど壊してしまった彼。大きな事件の後は車を傷つけて帰ってくるため今回もそんな予感がした。

彼が帰り夕食を一緒にしている時に車を壊した事を話してきたが、車を壊された苛立ちよりも、自分を大切にしようとしない彼に苛立ちを強く感じた。

付き合う前、仕事上無理せずにはいられないと言ってたことを思い出す。彼らしいと言えば彼らしいのだが。

そんな思いから謝ってきた彼に当たってしまったが、自分の思いが伝わり、守るだけではなく自分も大切にすると約束してくれた。また事件が起こったらどうなるかわからないが、それでもその約束が出来て少し安心できた。

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金曜日の午後、彼が公安の仕事から帰ってきたので二人で役所へ行き、婚姻届を貰ってきた。届けを貰うときは恥ずかしいようなくすぐったいような、不思議な気持ちになる。皆、届けを貰うときはこんな気持ちになるんだろうか、そんなことを考えながら、今度は毛利探偵事務所へと向かった。

タクシーに乗り、探偵事務所の前で下ろしてもらえば、緊張から胸が痛いくらいに鳴る。

「大丈夫？」

『うん、平気です』

緊張している自分の冷たい手を、彼の暖かい手に包まれて安心する。手を離してそのまま事務所へと続く階段を登り彼がドアをノックした。

「はーい」

「こんにちは、蘭さん」

「安室さんいらっしゃい。あれ、今日はスーツなんですね！雰囲気違うし、かっこいい！」

「一応挨拶も兼ねてますので」

『こんにちは』

「え、莉子さん…？うそ、安室さんの婚約者って、莉子さんなの！？」

『はい、実は…。内緒にしててすみません』

「いえ、…ちょっとビックリしちゃって、寒いので中にどうぞ」

『おじゃまします』

ドアを開けられ蘭に姿を見せて挨拶すると、やはり驚かれてしまった。秘密にしていて申し訳ない気持ちになりながら、事務所の中へと入る。そういえば、ここでは《安室透》で通さなくてははらないことを思い出し、誤らないように身を引き締めた。

「毛利先生こんにちは」

「安室くんか、それと、貴女が安室くんの…」

『透さんとお付き合いさせてもらってます、柴田莉子です』

「俺は探偵をしてる毛利小五郎だ。こんな美人な嫁さん貰うなんて、安室くんも隅におけないなぁ」

「僕には勿体無い人ですね」

二人の会話を聞きながら、久しぶりに《安室透》を演じている彼を見たが、その豹変ぶりには驚きだ。