【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ42)

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紹介2 ページ42

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軽く挨拶も済ませたので、ソファに座り雑談しつつも証人の話題を出せばきちんとお礼を言った。

『毛利先生、証人になって頂き本当にありがとう御座います』

「いいんだよ、何せ俺の可愛い弟子の証人だからな」

「二人ともすみません。お父さんたら二人の両親差し押さえて図々しく…」

『ううん、私たちお互い両親いないから毛利先生が証人引き受けてくれて嬉しかったの』

「あ、すみません…」

『気にしないで、一人は育ててくれたおじいちゃんにお願いはしようと思ってたんだけど、もう一人がなかなか決まらなくて』

「そうなんですか…」

「毛利先生、早速なんですがこれ…」

事情を話しながら、彼が婚姻届をカバンから取り出してテーブルの上に置いた。丁寧にお願いをしてから小五郎がペンを持って名前や住所を書き、最後に印鑑を推してくれた。

「ほーら。書けたぞ。式挙げるなら挨拶は俺が……「お父さんはだめよ」」

「なんでだよ！」

「話が長いから」

「…実は結婚式は挙げない予定なんです」

「「え」」

『お互い両親もいないし、私のおじいちゃんおばあちゃんも年だから離れた田舎からわざわざ来るのも大変だし…』

少し前、彼と二人で結婚式の話をした時に結婚式はしなくてもいいと自ら彼に伝えた。両親がいないこともそうだが、彼は忙しくて結婚式をする時間がなかなか取れない事や、危険な組織で潜入捜査している身では危険と思ったからだ。

ウエディングドレスに憧れが無いという訳ではないが、こればっかりは仕方がない。

「そうなんですか…莉子さんウエディングドレス姿見たかったから少し残念です」

『ありがとう、でも今がとっても幸せだからいいの』

「お前も愛されてんな」

「嬉しい限りです。毛利先生も早く仲直りしてくださいね」

「バッ…余計なお世話だよ！」

『喧嘩でもされてるんですか？』

「お父さんとお母さん別居中なんです」

『え、そうなんですか』

「お互い素直じゃなくて、いい雰囲気になってもすぐ喧嘩しちゃうんですよ」

「う、うるせえ！」

彼の探偵としての師匠には初めて出会ったが、とても懐が大きく、気さくな人だと感じた。いくら師匠といえ、信頼をしてなければ大切な婚約届の証人など快諾しないし、快諾した事がその表れだろう。