二十七、詐欺には気を付けよう ページ32
「ねぇねぇ、見て」
「じゃじゃーん」と自分で効果音を言って出した壺。
複雑な模様が描かれている。
「如何したの?其れ」
「買っちゃた。何でも毎日綺麗に磨くと、女神様から幸福を貰えるんだって!」
・・・。少し静寂が起こった。
「Aちゃん、よく考えてごらん。そんな簡単に幸福が貰えるわけないじゃないか。
絶対詐欺だよ!」
「だよねぇー」
「何で、分かっているのに買っちゃうの!?」
「分かんない。脳内麻薬がキマッてたんじゃない?
それか、売り手が麗しいお嬢さんだったからかな?」
「で、幾らしたの?」
「二十五万」
また、暫くの静寂が起こった。
その時、Aの携帯からコール音が鳴り出した。
「はい、もしもし。えぇ、そうそう私。
えっお母さんが事故に遭った!?
それで、百万必要?うん分かった振りこ」
途中で、携帯を取られ、通話を切られた。
「・・・Aちゃん、今のは、知ってる人?」
「知らないけど、声がめっさ可愛いかった!」
「オレオレ詐欺だよ!相手が女性だからって甘い顔しちゃダメだよ!!」
*
「えっ詐欺問題?」
「あぁ、近頃同じ集団だと思われる奴らの被害が多数来てな」
「どんなんですか?」
腕の中から、ファイルを抜き取り、ペラペラ捲る。
「奴らは、骨董品などを高額で売り付けたりしているようだが、金額の半分にも満たない安物だそうだ」
「ね、ねぇ其れって・・・」
恐る恐る潤一郎もファイルをのぞき込む。
「似たやつ持ってなかった・・・?」
幾つか並べられている中の一つを指差した。
それは、金で所々装飾がされており、Aが見せた壺によく似ている。
「あぁ、確かに」
「確かにって
手帳を掴んだ手が震え、ピクピクと眉が動いている。
「はい、手が綺麗な麗しい人でした」
親指を立てて、ニッコリ笑うAの頭を勢いよく手帳で叩いた。
「阿呆!何やっている!!」
「国木田さん。いい言葉教えてあげますよ。
可愛い子の為に貯金があるんです!」
「知るかぁ!!」
とっても良い顔をして言ったAに国木田が叫び、暫く説教が始まった。
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時