十八、夢が叶うかも ページ23
「此れが潤一郎君の体なんだねぇ」
手を開いたり、閉じたりする。
「適応力高すぎでしょ。Aちゃん・・・」
「良いじゃない。私、潤一郎君の異能って便利だと思うのよねぇ。だって、強盗し放題じゃない」
「止めて。僕の体で罪をおかさないで!?」
狼狽えるAの体の潤一郎と目を輝かせる潤一郎の体のA。
「アンタ達が入れ替わると、随分面白いねぇ」
ケラケラ笑う与謝野。
「兄様、Aさん。大丈夫ですか?」
ドアを開け、入ってきたナオミを見て、Aは面白いモノを見つけたと言わんばかりに、
ニヤリと微笑み、ナオミの方へ向かう。
嫌な予感がすると潤一郎は思った。
「あぁ、心配してくれたんだね。ありがとう。
ボクは、街に用があるから、一寸行ってくるよ。
じゃあね、愛しのMy sister」
チュッと投げキッスを飛ばして、華麗に出ていく。
「に、兄様・・・?」
普段と似ても似つかない兄に驚く。
Aの姿の兄は、口を大きく開けて、目を見開き固まっている。
隣では、笑いを堪えている与謝野。
*
「やっぱり潤君の見目は良いんだよねぇ」
ニヤニヤしながら、街を練り歩く。
ハンカチを落とした女性に手渡し、王子様よろしく、微笑んだ。
「この姿なら、私の夢が実現出来るかもしれない」
Aの夢は、大勢の可憐な少女達や妖艶な女性達を全員侍らせること。
折角男に成ったのだから、やってみなくては。
腕を巻くり、夢の実現の一歩を踏み出した。
*
一方潤一郎サイド。
「成程、Aさんと兄様が入れ替わってしまったのですね」
ナオミの言葉に激しく頷く。
「そうなンだ。なのに、Aちゃん、出て居ちゃうし・・・」
Aの姿で「Aちゃん」と言うと、一人称みたいだと思ったりする。
「大方、谷崎の体使って、ナンパしてるのだろう」
「ハーレム作ってたりして」
「誘拐犯とかですかね?」
国木田、太宰、賢治の順で言っていく。
「元に戻ったら、知らない女の人から、電話掛かってきたら、嫌なンだけど」
溜息を吐く。
「何重にもなった、修羅場。地獄絵図過ぎる・・・」
もう一度吐き、頭を抱えた。
慣れてない体の所為か、自分の気持ちの所為か、両方か、何時もより体が何倍にも重い気がした。
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麗(プロフ) - 10ページ 読んでみる ではなく 呼んでみる ではないでしょうか? (2021年4月13日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - みほさん» すいません。そういう仕様と思ってください。ちょこちょこ直したので違和感が少なくなっているといいのですが・・・。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 改行を増やしてみました。見やすくできるように頑張ります。 (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - 塩キャラメルさん» 遅くなりすいません。少し空白を入れ、改行を加えてみました。少しは見やすくなったでしょうか? (2018年2月14日 2時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 句読点の入れ方が独特ですが、そう言う仕様なんでしょうか?読んでいるときに引っ掛かって違和感があったので…。わざとそうしているのであればすいません。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 605cea03c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2016年12月11日 4時