番外編.一緒に勉強しましょう ページ32
御幸「よし、休憩すっか…飲みもんはそれだけしかねぇな
お前それ飲んでいいぞ俺らは外の自販機で、別の買ってくるわ…」
『そんな悪いよ、私も買いに…』
御幸「監督に一応言ってあるけど、こんな夜遅くに近くても外を出歩くのはまずいだろ？」
倉持「勉強教えてもらってるんだし、寧ろお前の好きなもん買ってきてやろうか？」
流石にそこまでして頂くわけにもいかない…
ここはありがたくあるものをいただこう…
『いや、いいよ…そこまでしてもらわなくて
じゃあ、これがお礼ということで』
ミネラルウォーターかスポーツドリンクが入っているペットボトルを振りながら、倉持くんの申し出をやんわりと断る…
倉持「まぁ、それが礼ってのも気がひけるから…今度なんかで埋め合わせするわ！」
そんな気を使わなくても…と口にする前にみんな部屋を出て行ってしまった…
今日はみんなで模試対策の勉強会を行っている。私立のスポーツ推薦といえど、学生の本分である勉学に支障が出るようでは部活の継続が…というか、監督の目が恐ろしいらしい。←先輩談
とはいえ、勉強を教える以外、他の人と一緒に勉強をするなんてことは初めてでなんだか新鮮だ。
今まで勉強は一人でするものだとばかり思っていたけど、純先輩から借りた少女漫画でのワンシーンでは主人公の女の子が友達と一緒に普通にお店に集まったりして勉強をしていた。
私達もつい先程まで寮の食堂でやっていたけれど、時間が遅くなってきたので一也の部屋に場所を移して続行。
流石にみんな疲れてきたのか、休憩がてら外の自販機に飲み物を買いに出ていった。というのが、さっきまでの状況説明。
模試対策と言われても、学校の定期テストの対策をすればいいわけではないから困る。
確かに基本を抑えていれば、大体の応用問題に対応できるかもしれないが、私は人の何倍もやらないと追いつくことが出来ない。そう、忘れやすいのだ。
問題の一つだけだって、何度も何度も繰り返しやってやっとできる。
今までずっとそうしてきただけに、この方法が当たり前になってしまった。
『教える事で自分も覚えられるのはいいけれど…みんなは理解できてるんだろうか…』
ふとそんな不安がよぎった。
確かに、私なんかよりずっと要領のいいナベ君に教えてもらったほうがよっぽど勉強になるのではないだろうか…
教える立場としても責任がある。
『よしっ！』
気合いを入れ直すため一也から貰ったペットボトルの水を何口か飲んだ…
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作者名：花 | 作成日時：2016年7月17日 3時
