155.今はただ目の前の ページ20
倉持「それはグラウンドにいる俺達だって思ってた…でも、片岡監督はそういう人なんだぜ？」
「わかってる…監督が選手に対して近過ぎず、かといって遠過ぎる事もなく接する人だってことくらい…
普段、決して口数の多い人じゃない…そういう所だけを見て
練習に対して口を出してきたり…
片岡監督の代役を裏でコソコソと探したり…
学校側の事情だからって選手に対して何の配慮も無いこんな事を…私は黙って見て、その時が来るのを待つばかりでいられるほど…
私はもう、大人しい人間じゃない…
絶対、勝手にそんな事させない！」
ゾノくんがゲッツーでスリーアウトチェンジ…
予選でもそうだったが、今日もなかなか打線が繋がらない…
ゾノくんは特に感情的になりすぎる事があるから、きっと監督の事が打席に立っても頭によぎっていたに違いない…
倉持「終わったか…でも、まさか御幸にも言ってないとは思わなかった
優等生に見えてなかなか考えてる事がすげぇ事もな…」
「まぁ、一也の事だから…一也なりに考えてただろうよ…もうただの選手じゃないからね…
それと、私はいつだってこんな感じだよ」
他の選手達はみんな守備の準備を始め、一也が帰ってくるのを待っているようだった…
伊佐敷「注文どーりだバカヤロー！！
お前ら本当に点が欲しいのか！？
守ってて何もプレッシャー感じねーぜ！！」
亮介「確かに…w」
増子「うがっ！」
伊佐敷「こりゃ相手さんも楽だわ！！」
ゾノくん、一也がグラウンドからベンチへ帰ってくる…ゾノくんは相変わらず険しい顔…動揺が丸見え
一也は…
御幸「言い返す言葉もないよな〜淡白すぎ…w」
いつもと変わらない…が、結城先輩に何か言われたのだろうか…
御幸「そう言えば、Aは何でこっちに来たんだ？」
「試合の進行が遅れてたからね…注意しに来たんだよ…それよりも…ちょっと…」
倉持くんが伊佐敷先輩から聞いた監督の辞任の件について話した…
少し驚いた様子の一也…でも、他の選手達程ではない
やっぱり、勘付いていたんだ…
御幸「さぁ、行こうぜ」
前園「何やお前…あっさり受け入れて…
本当は知っとったんちゃうんか…？」
御幸「あ？何言ってんだよ…
OBじゃないコーチが来た時からそういう事もあるかもって勝手に思ってただけだ…」
「とにかく、この話はまた後で…今は目の前の試合に集中しましょう…」
御幸「あぁ…折角先輩達も来てくれてんだからな…」
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作者名：花 | 作成日時：2016年7月17日 3時
