【ＮＡＲＵＴＯ】波風シンドローム2

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『クシナこそ、私の事知ってくれてたんだね』

「当たり前だってばね！」


彼女とまともに関わったのは本当にあの時ぐらいだった


「私、前回の中忍試験も見てたんだから」

見たというのは三次試験のことだろう

中忍試験は三次試験のみ一般等のギャラリーがいる状態で行われるから

『あー…あんまり活躍してなかったけどね』

「そんなことないってばね！」

かっこよかった、良い試合だったと興奮気味に語るクシナ


やっぱりクシナはこんな風に元気な姿が一番だ



＿＿＿

＿＿

＿


甘味処でゆっくり過ごし外へ出ると西日が私たちを照らした

結構話し込んでたみたいだ

『かっこいいと言えば、昼間のクシナ凄かったね』

私が着いた時には男の子たちはほとんど倒れててどっちが襲われてるのか分からなかった

なんて冗談を言うとぷくーっと頬を膨らまして怒り出した


「私より弱いのにちょっかい出してくるからだってばね！」

『(可愛いなあ…)』


そんな癒しのひとときを壊す気配が一つ


『(…バレバレの尾行だ)』

甘味処を出たあたりから私たちの後をつけている者がいた

本人は隠れているつもりなのだろうが、残念ながら気配でまるわかり

クシナも気づいているようすだ


後ろを振り返ると、さっきの卑怯者リーダー君が急いで物陰に隠れるところが目に入った


中々しつこい奴だ


『(さっきは手裏剣使ってたし、いきすぎた暴力は流石に見過ごせない)』


クシナに小声で作戦を伝え、私は帰った振りをして後をつけることにした


『……』

わざと人気の少ない路地に入ってもらうと、案の定彼はクシナに攻撃を仕掛けようとした

また背後から手裏剣で狙っている

投げられた手裏剣がクシナに命中したと同時に、彼女はﾎﾞﾝｯと音を立てて丸太に変化した


「同じ手は通用しないってばね！」


「ｸﾞｴｯ」


クシナの蹴りをモロにくらった彼は潰れたカエルのような声を上げて地面に伏した


『お見事』

クシナの横に着地し、改めて倒れてる子を見る


「ちくしょう……！何でオレはっ…」

悔しそうに呟く彼の体中に傷が見られる

昨日今日負ったものだけではなさそうだ

日頃からいじめをするような奴だが、修行はちゃんとしているらしい

「……何でオレは卒業出来ないんだよ！！」









「『(_______いや、その性格でしょ)』」


私とクシナの心の声が一致した瞬間だった









番外編_完



なお、その後彼はクシナへの八つ当たりを止めた。何故かは……まあ、ね

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