82話 ページ47
「これが三人の資料じゃ、目を通しておいてくれ」
「はい、分かりまsコンコン
『失礼しま〜す』
「おぉ、Aか…って、お主…」
聞き覚えのある声に振り返るとAが火影室に入ってくるところだった
…のだが見るからに様子がおかしい
覚束ない足取りで歩いてくるAは焦点が定まっていないし顔色も悪い
『報告書提出に来ましたー…はい、火影様どうぞー』
ふらふらと俺の前にやってきたAは手に持つ書類の束をズイッと差し出してきた
「え、A?」
反射的に受け取ってしまったがこれは…
チラリと書類に目を落とすとやはり任務報告書だ
「A…そこにいるのはわしじゃなくてミナトじゃ」
「すごく具合が悪そうだけど、大丈夫かい?」
『だーいじょうぶでございますですよ。それじゃあ私は失礼しますねー』
三代目に報告書を渡しながら声を掛けるも
ふわっと返された返事の後すぐにAは部屋を出て行ってしまった
三代目との話が途中だったこともありすぐに追いかけたい衝動を抑え向き直る
「…早く追いかけたそうな顔じゃな」
「ハハ、手短にお願いします」
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急いでAを追いかける
手短にと頼んだものの少し時間を食ってしまった
あの様子じゃすぐに家に帰っているだろうと考えながら火影邸を出たが、
Aはまだ出てすぐのところに止まっていた
いや、止まっていた訳ではなさそうだ
壁に手を付きながら少しずつ前へ進んでいる
「Aっ!」
瞬時に駆け寄りAを支えてみて驚いた
酷い熱さだ、これは病院へ連れて行った方がいい
「A、しっかり!俺が分かるかいっ」
苦しそうに息をしていた彼女と一瞬目が合ったと思った瞬間彼女は膝から崩れ落ちた
「A!?」
完全に意識がなくなり少し重みの増した身体をしっかり抱き、木の葉病院へと向かった
「大丈夫、熱は高いですがただの風邪ですよ」
「そうですか、良かった…」
大事に至らなかったようでほっと息を吐く
何らかの原因で免疫力が著しく低下していたというA
そのせいで風邪は重度化してしまったらしい
苦し気に歪んでいた顔も薬のおかげで今は落ち着いている
この様子だと暫く目覚めないそうだが、入院の必要もないとのこと
薬を受け取りAを抱え病院を後にした
「全く…俺の気も知らないでいつも無茶ばっかりして…」
返事が返ってこないのは分かっていたが思わず言葉をこぼし
安堵と呆れ両方の意味を含んだ溜め息を吐いた
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あまね(プロフ) - コメントありがとうございます。サボり管理人故にお待たせしてしまうことでしょうが、寛大な心で更新お待ち頂けると幸いです (2018年7月1日 1時) (レス) id: 1de2d0bb0d (このIDを非表示/違反報告)
みーさ - とても面白いです! これからも頑張ってください!! (2018年6月30日 17時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
しろくま - お久しぶりです。そろそろ続きを頂けないかなぁ〜。なんて思っての書き込みです。(スミマセン) (2018年2月11日 2時) (レス) id: 2cd02ea97c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 百合の花さん» コメントありがとうございます(^^)馴れ馴れしいなんてとんでもない。更新楽しみにしてくださってる方からのコメント、嬉しい限りです!他の人より更新は遅いですが完結まで是非お付き合いください(_ _) (2017年12月18日 21時) (レス) id: 09c16cdf37 (このIDを非表示/違反報告)
百合の花 - お帰りなさいです!初めてコメントするのに馴れ馴れしかったらごめんなさい。いつも楽しみにして読んでたので更新されて嬉しいです!いつも応援しています!頑張ってください! (2017年12月15日 23時) (レス) id: b8bc411ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまね | 作成日時:2017年5月5日 17時