【ＮＡＲＵＴＯ】波風シンドローム2

79話 ページ44

『ん？カカシはどうしたの？』

民宿にてお風呂に入ったり休んだりと各々自由に過ごしていたのだが、
夕飯の時間になってもカカシの姿が見えない

私の質問にサジとトバリは首を振った
二人とも部屋に案内された後からカカシの姿を見てないという


外はまだ大雨だ、流石にこの雨の中外出しているとは思えないが…

『ちょっと探してくる、二人は先に食べてて』


一体どこに行ったのやら…



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民宿とはいえコの字型の比較的広い屋敷だ
一通り探しはしたがカカシは見当たらなかった


『まさか、本当に外へ…？』

まだ下忍のくせに気配消しは上手くなっちゃって…

『って、あれは…』

忍として有望なカカシに少し感心していた時
ふと中庭ごしに反対側の屋根を見上げてみると雨で見づらい視界に影が見えた


『ちょっとカカシ！？この雨の中傘も差さずにこんなところで何してるの！』

急いで屋根に上ってみれば案の定というかなんというか
カカシはただ雨に打たれながら佇んでいた


「…隊長」

『…！』

声を掛けてからたっぷり4拍は間を空けてようやく振り返ったカカシは生気のない目をこちらへ向けた

『(なんて目をしてるんだ…)』


「隊長こそ、傘も差さずに出てきちゃ風邪引きますよ」

暗に部屋へ戻れというカカシを無視しカカシの隣りへ移動する

『あーあ…こんなに体が冷えちゃって…一体どれだけの間ここにいたのよ』

カカシの手を取ると思っていたより冷え切ったその体温に内心びっくりした
こんなんじゃ人の事言えたものじゃない

バツが悪そうに顔を逸らしたカカシは梃子でも動かないつもりかその場に腰を下ろした

「……」

『……』

カカシの隣りに腰を下ろしたAは冷たい雨に打たれながら暫くその音に耳を傾ける


「…何も、聞かないんですか」

『ん？何か聞いてほしいの？』


「いや、そういう訳じゃ…」

『ﾌﾌｯ、ちょっと意地悪だったかな…でも、聞いても素直に話してくれそうもないしねカカシは』

「…ほんとに風邪引きますよ」

呆れた様子でひとつ溜め息吐いたカカシはポツポツ話し出した

「今日は、すみませんでした…」

『…それは何に対しての謝罪？』

「隊長の決定に、抗議して…」


『……班の隊長っていうのは状況に応じて瞬時に最良の判断を下す必要がある。
そりゃ、時にはその判断を不満に思うこともあるかもしれないし、100%正しい判断だとも
限らないのは事実』

少し小降りになってきた
カカシは黙って耳を傾けている

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