78話 ページ43
「た、隊長。僕は大丈夫です。足手まといになるくらいならここに残ります、任務を続行してください」
『サジ…』
「サジもこう言ってることですし、先を急ぎましょう」
Aは一度目を閉じ、強い意志を込めた瞳でカカシを見た
『いいえ、サジは置いて行かない。一緒に行くわ』
「な、隊長！」
納得いかないと目を見開くカカシにAは続けて言う
『やっぱりこの状況で一人残していくのは危険よ、一緒に行動した方がいい』
「で、ですが！時間をかけるほど危険が、」
『サジは大名と共に駕篭に入ってもらう、大名には私が話をつけるわ』
「それじゃあこの人たちの負担が…」
カカシの言うこの人たち、とは駕篭持ちたちのことだ
『サジ一人増えたくらいでそこまで大きな負担にはならないでしょ』
幸い小柄な体系のサジ
四人で運んでいるのだからサジ一人分ぐらい大丈夫だろう
汐の国だってすぐそこだ、距離的にも問題ない筈
『無理なら私が代わる』
「…そんな無茶苦茶な」
まだ何か言いたそうなカカシから離れ駕篭の中にいる大名に話しかける
文句を言ってきた大名をおど…説得し、サジを中に入れた
『よし、行くよ』
再び崖路を進み始めて少しした時だった
「…なっ！」
先頭を歩くカカシの足下が崩れ少し空け後ろを歩いていた駕篭持ちの前二人の足場も崩壊し始めた
Aが瞬時に氷塊壁を崩れ始めた足場に展開し駕篭が落ちるのを防ぎ、落ちそうになった二人をトバリが救出
カカシは崩れた足場の先にギリギリ掴まり片手でぶら下がっている状態だ
『カカシ！』
すぐにぶら下がるカカシの足下にも氷塊壁を出そうと印を組み始めたと同時にカカシの支えになっていた足場が更に崩れた
重力に従い落ちていくカカシの身体
続いてAがロープを投げる前に目にもとまらぬ速さで黒い影が飛び出した
『…！』
サジの蟲だ
後ろを振り返ると駕篭から身を乗り出し蟲を操るサジの姿
『ありがとうサジ、助かったよ』
向こう側の足場に降り立ったカカシは特に怪我もなさそうだ
崩れた足場は氷で補強し無事Aたちも渡り切った
その後は落石等もなく下山に成功
汐の国への渡し船に乗りこみ無事、大名を送り届け任務は完遂できた
手負いのサジの件もあり、その日は汐の国の民宿に宿泊することにした
『降ってきたわね…』
民宿に着くと同時にまた雨が降り始めた
「……」
土砂降りの空を見上げるカカシは、やはり相変わらず無表情だった
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あまね(プロフ) - コメントありがとうございます。サボり管理人故にお待たせしてしまうことでしょうが、寛大な心で更新お待ち頂けると幸いです (2018年7月1日 1時) (
レス) id: 1de2d0bb0d (このIDを非表示/違反報告)
みーさ - とても面白いです！ これからも頑張ってください！！ (2018年6月30日 17時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
しろくま - お久しぶりです。そろそろ続きを頂けないかなぁ〜。なんて思っての書き込みです。(スミマセン) (2018年2月11日 2時) (レス) id: 2cd02ea97c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 百合の花さん» コメントありがとうございます(^^)馴れ馴れしいなんてとんでもない。更新楽しみにしてくださってる方からのコメント、嬉しい限りです！他の人より更新は遅いですが完結まで是非お付き合いください(_ _) (2017年12月18日 21時) (レス) id: 09c16cdf37 (このIDを非表示/違反報告)
百合の花 - お帰りなさいです！初めてコメントするのに馴れ馴れしかったらごめんなさい。いつも楽しみにして読んでたので更新されて嬉しいです！いつも応援しています！頑張ってください！ (2017年12月15日 23時) (レス) id: b8bc411ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまね | 作成日時：2017年5月5日 17時
