【ＮＡＲＵＴＯ】波風シンドローム2

74話 ページ39

「あ、A！」

名前を呼ばれて振り返ると少し離れたところから手を振るミナトの姿があった
隣りにはいのいちと…

『ちゃんと話すのは初めまして、ですね。油女シビさん』

挨拶を交わしながら手を差し出すと向こうも意図を組み応えてくれた

『私は柊A、よろしく』

「あぁ、ミナトからよく聞いてる」

『え？よく聞いてる？』

「あああ！み、皆お腹空かないかい？ほら、ちょうどいい時間だしそこでお昼にしよう」

半ば無理矢理引っ張られるようにして四人はお昼ご飯を食べに定食屋へ入った


「久しぶりだなAちゃん」

『久しぶり、いのいち』

あまり任務が一緒にならないいのいち
会ってこうしてちゃんと話すのはいつぶりだろう


「シカクにも聞いたぜ、なんか大変な任務で一緒だったらしいな」

『そうそう、シカクとミナトが一緒だった任務ね、もう３か月か…。内容はあまり言えないけど、
中々厳しい任務だった。私のせいでミナトにかなりの深手を負わせちゃったし』

「だからあれは君のせいじゃないよ。気負う必要ない」

黙々とメニューを眺めるシビをおいて三人で近況について盛り上がる


『(…あれ？)』

あの時の任務を思い出していたらほんの僅かながら違和感を覚えた

『(何だ…この嫌な感じ…)』

もやもやして気持ち悪い…
前も似たようなことがあった気がするのだが、思い出すにも思い出せない

「どうしたんだい？A」

『いや…何でも、ない』

箸の手が止まっていたAを心配したミナトが声をかける


「最近もっぱらの話題と言えば、やはりあれだろう」

とっくに注文し終え定食を食べ始めていた三人と違い、ようやく今注文し終えたシビが
お手拭きで手を拭きながら切り出した


「あれか…」

『……』


皆同じことが思い浮かぶ程には衝撃的だったということだろう
楽しいことなら良かったのだが残念ながらそうではない

心なしか周りの空気が重くなった


一か月程前、木の葉の白い牙と評される天才忍者はたけサクモを隊長とした部隊が敵地への潜入任務に就いていた

任務は失敗

任務遂行より仲間の命を優先したサクモさんを待ち受けていたのは
里中の者たちからの誹謗中傷、挙句助けた同僚たちからもその決断を非難され、
あれだけ名声を轟かせていた彼も表に出て来なくなってしまっていた

一か月近く経った今でも忍たちの間で絶えず噂されていたようだが、
更なる衝撃を生む出来事が起きた



＿＿＿はたけサクモが自宅で自決したのだ

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