【ＮＡＲＵＴＯ】波風シンドローム2

62話 ページ27

私はミナトに守られて比較的軽い怪我になったが、間近でくらった隊長が
軽傷だったのは不思議だった


ミナトが気絶させていたはずの敵が自爆できたのは口封じに隊長が行ったものだったのではないか？そう考えている

要するにあの男は捨て駒だったという訳だ

自分の中で整理して見えてきたもの
″上忍、香月レンは木の葉の里の敵である″
ということ


香月レンという人物は昔から木の葉の里に所属している
木の葉で生まれたのかどうかまでは知らないが
それこそアカデミー時代から香月三兄弟は有名だったし、
戦争でも名を馳せ今も活躍しており里でも多くの忍から尊敬されている程の存在だ

そんな彼が敵…？
いつから、どうして木の葉の敵となったのかも分かりようがないが、
問題は彼が兄弟で有名だということだ

香月レン、香月シン、香月ギン

レンが敵であるならば、残りの二人、シンとギンは？
考えるだけで恐ろしい

『(木の葉の内部で、何か黒いものが動いている…)』


もしかすると、今回香月レンが極秘任務の隊長に任命されたのにも何か理由があるのかもしれない

極秘任務に就いた隊長が偶然木の葉の裏切りを目論んでいた？
あまりにも出来過ぎた話だ

『(元々怪しい動きをしていて三代目たち上層部に疑われていたとか…)』

確実な証拠を見つけ、どこの組織もしくは里と繋がっているのか炙り出そうとしたとか…


とにかく、私の一存で勝手な行動を起こすのは危険だ
三代目が関わるなと言うのだから私はそれに従おう

ただ、香月三兄弟がきな臭いということは念頭に置いておく必要がある
彼らには気を張っておこう


『……』

随分と長いこと考え込んでしまっていた
両親の墓前に膝をついていたAはようやく立ち上がる



「こんにちは」

『…！』

流石に帰ろうと振り返った先に、にこやかに笑う淡い金髪の青年が佇んでいた

『(いつからいた…？)』

爽やかな笑みのように見えるが直感的に得体の知れない何かを感じとり、思わず一歩後退った


「柊Aさん、だね」

『あなたは…』

「僕は香月ギン、はじめまして。いや、昔一度会ったことがあったかな？」

『香月…ギン…何か、用ですか？』

警戒しながら話すAにギンはクスリと笑い細めていた目を怪しく開いた


「レンの奴がしくじったようだね。君は、勘がいい」

『え…？』

ぐにゃりと視界がゆがむ
不敵な笑みを浮かべるギンの目の色が変わったのを最後にAはその場に崩れ落ちた

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