61話 ページ26
しかし、水を汲み終え戻ってきた私と入れ違うようにしてレン隊長は用をたしに少し離れたはずだ
すぐに戻ってきていたが、その離れていた間の隊長を見ていた者は誰もいない
つまり、隊長だけは唯一結界札を剥がすことができた
札は一枚でも剥がされると効力を無くす
何か術を使えば結界を視覚化でき、何もしてなければ結界が張られているかどうかミナト本人も確認できない
ミナトとシカクに確認したところ、結界札を張り終えた時確認のために一度だけ視覚化させたという
私自身はそれを見ていなかったが、レン隊長は見ていたのではないか?
そして休憩地点を離れた隙に札を剥がした
その時以降は全員が誰かを見ている状況であったし、夜は一晩起きていた私が何もなかったことを保証する
あの男が夕飯を運びにダミーに近づきそのまま針で毒殺
その後駕篭内で例えば影分身などを作っても、初めから結界が破られていたとすれば誰も気づけない
中で夕飯を食し、さもダミーが食べたかのように空になった皿を駕篭の外に置いてしまえば
ダミーが死んでいるなんて誰も思いはしないだろう
事実、私たちは結界の存在に依存し、確実に生きていることを確認しなかったのだから
これなら死亡推定の時刻とも一致するし、結界が反応しなかったことも頷ける
そして、結界が張られていなかったことを裏付ける事実はもうひとつ
ダミーが殺され、その件を此の国にいる火影様へ報告するべく隊長が行った行動
″口寄せの術″だ
あの時確かに隊長は術を使ったにもかかわらず、結界には何の反応もなかった
けれどもその後隊長が敵を暴き、戦闘が始まった時に結界が視覚化されている
忍鳥を飛ばし、戦闘が始まるまでの間に結界札を張りなおした者がいるということだ
私は後に気付いたことだったが、ミナトとシカクならすぐに気づいていただろう
何も言わなかったのは様子見か何かか…
少なくとも術を使った本人である隊長が何の疑問ももたずにその事実を流したのはおかしい
そのまま張りなおさない方が良かったというのに結界札を張り直したことを考えると、
隊長本人、口寄せの術を無意識で使ったのかもしれない
結果的に隊長を疑う大きな原因となった
隊長と敵がグルだと考えると、此の国での会合の件を知っていることも、私たちの隊だけダミーだということも、機密文書の存在も全て知っていることに納得がいく
というか全てを知るにはそれしか考えられない
そうなってくると、あの自爆も怪しくなってくる
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あまね(プロフ) - コメントありがとうございます。サボり管理人故にお待たせしてしまうことでしょうが、寛大な心で更新お待ち頂けると幸いです (2018年7月1日 1時) (レス) id: 1de2d0bb0d (このIDを非表示/違反報告)
みーさ - とても面白いです! これからも頑張ってください!! (2018年6月30日 17時) (レス) id: c6295103af (このIDを非表示/違反報告)
しろくま - お久しぶりです。そろそろ続きを頂けないかなぁ〜。なんて思っての書き込みです。(スミマセン) (2018年2月11日 2時) (レス) id: 2cd02ea97c (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 百合の花さん» コメントありがとうございます(^^)馴れ馴れしいなんてとんでもない。更新楽しみにしてくださってる方からのコメント、嬉しい限りです!他の人より更新は遅いですが完結まで是非お付き合いください(_ _) (2017年12月18日 21時) (レス) id: 09c16cdf37 (このIDを非表示/違反報告)
百合の花 - お帰りなさいです!初めてコメントするのに馴れ馴れしかったらごめんなさい。いつも楽しみにして読んでたので更新されて嬉しいです!いつも応援しています!頑張ってください! (2017年12月15日 23時) (レス) id: b8bc411ea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまね | 作成日時:2017年5月5日 17時