大好きなあの子の話 ページ6
「ほんと及川ってAの事好きな」
始まりは花巻が世間話でもするかのようなトーンで呟いたその一言だった。
*
及川side
ある日の昼休み。まっつんがいる一組にお邪魔して、空いていた机や椅子をくっつけながら、いつものように四人でご飯を食べる。
ちなみに、Aはいない。誘ったんだけど、友達と食べるからって断られた。時々来てくれるんだけどね。
“お前らといると面倒な事もあるんだよ”
そうふて腐れたように呟いたAを思い出す。
あー、あと女子同士の時間も大事にしなきゃいけないみたいなこと言ってたかな。
こちらをチラチラ見ている一組の女の子達に笑いながら手を振ると、そちらの方向からきゃあきゃあと騒ぐ声が聞こえてきた。
「相変わらずモテてんなムカつく」
「その微妙なドヤ顔腹立つ」
「よし一発殴らせろ」
「理不尽だね!?」
腕まくりをして拳を握る岩ちゃんを慌てて止める。
「岩ちゃんは自分がゴリラって事自覚した方がいいよ!!」そう言ったらほんとに殴られた。痛い。
「痛いよ岩ちゃん!!もう!!Aに慰めてもらいに行ってくる!!」
立ち上がって歩き出そうとすると、まっつんが通せんぼでもするように両手を広げた。
「はいストップ〜」
「何、まっつん!どいて!!」
「俺らAから及川来させるなって言われてんだよ」
「ドンマイ及川」
「ざまぁみろクソ川」
「みんなヒドい…」
渋々椅子に座り、そのままバタンと机の上に倒れ伏す
「Aに会いたい会いたい会いたい会いたい」
「こっわ、お前大丈夫?」
「つかさー」
マッキーが口にシュークリームを放り込みながら言った。え、今一口だったよね。シュークリームって一口で食べるものだっけ。
「ほんと及川ってAの事好きな」
――そして話は冒頭に遡る。
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雨音(プロフ) - コメントありがとうございますT^Tそんな嬉しいことを言って下さるなんて涙が…更新頑張れそうです(*´◒`*)猫様も体調気をつけて下さいね!本当にありがとうございました(*'▽'*) (2022年4月29日 19時) (レス) id: 9d08cd299b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - まじでこの作品大好きです‼︎体調に気をつけてくださいね。 (2022年4月29日 11時) (レス) @page2 id: fd92b45f0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音 | 作成日時:2020年7月25日 1時