助け ページ24
「…ちょっと」
「ああ？」
声がした方をぼやけた視界のまま見ると、ジャージを着た男の子二人が立っているのが分かった。
「嫌がってんじゃん。離してやったら」
「お前には関係ねえだろうが、このガキ」
「とっとと失せろ」
「け、警察呼んだからな！もうすぐ来るぞ！！」
「はあ？」
「あ、来た。お巡りさーんこっちでーす」
男たちは誰が見ても明らかなほど狼狽し始める。
「ここでーす。女の人が襲われてまーす」
「や、やべえ、行くぞ！！」
男たちはそう言ってバタバタと逃げていった。
…ほっとしたのか力が抜け、思わず膝から崩れ落ちそうになる。
あーあ、膝擦り剥きそう。何で今日に限って膝が出てる服にしちゃったんだろう。
近づいてくる地面を眺めながら、無駄な現実逃避。
ーー瞬間。
…ふと目の端に緑色が映った。
「だ、大丈夫ですか？」
地面に膝が付く前に支えてくれたのは、先ほど助けてくれた男の子だった。
『あ、ありがとうございます…』
そうお礼を言って立ち上がろうとした、その時ーー
ーー頭を過ぎったのは、思い出したくも無い、生温い体温。
『やだ…ッ！！』
気付いたら、支えてくれた男の子を力一杯突き飛ばしていた。
ハァハァ、と上下する肩。荒い息。
苦しくて、何も考えられない。
無意識のうちに零れ落ちる涙をゴシゴシと乱暴に拭って、深く息を吐き出して。
ーーそうして、漸く自分のしでかした事に気が付いた。
『あ、あの…す、すみません…。私、あの…ほんとに、ごめんなさい…』
パニックになったまま必死に頭を下げる。
(助けてくれた人に迷惑かけて、私何してるんだろう…)
一旦は乾いたはずの涙が、また浮かんできた。
『…ごめんなさい…え、』
「…落ち着いて。俺たちはあなたに危害を加えるつもりはないです」
肩に重みを感じてぐしゃぐしゃな顔のまま頭を上げる。
肩に掛かっていたのはもう一人の男の子が着ていたジャージだった。
…今になって、自分の体が冷え切っていたことに気付く。
体が温まっていき、それに伴って震えも収まっていくのが分かった。
「…金田一、大丈夫？」
「お、おう！だからそんなに謝らないでください！」
そう言って嫌な顔一つせずににこっと笑ってくれたその男の子に、思わず涙がこぼれ落ちた。
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雨音(プロフ) - 氷雨さん» わわ、めちゃくちゃ嬉しいです…!手直しも更新も早くできるよう頑張りますね(*´-`)コメントありがとうございました(*^^*) (2021年1月8日 14時) (
レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - すっごく素敵なお話だと思います！これからも頑張ってください！ (2021年1月5日 15時) (レス) id: adfa992d1e (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます！！日向くん難しかったのでそう言っていただけてめちゃめちゃ嬉しいです…！これからもキュンキュンしていただけるように頑張るので、また是非ご覧くださいませ！本当にありがとうございました！ (2020年3月19日 8時) (レス) id: 57a2e7dd63 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 日向と国見さん後月島にもうキュンキュンしまくってます、、、！！←これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年3月19日 1時) (レス) id: 7111f7e46f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2020年3月15日 18時
