い も う と 03 ページ4
・
「ここからすぐのはずなんだけど…?」
カフェから飛び出し早10分。
グーグル先生に道を尋ねて近くまで来ているはずなのだが、一向にそれらしき場所は見つからない。
よく考えてみたらMANKAI劇場に向かえばいいのか寮の方に向かえばいいのかすらわからない。要するに詰んだ。
(こんなん無理ゲーだよ…なんなん、ほんとむり…しんど)
それから何分かしてやっとのこと劇場にはついたが、人影はなさそうだった。
今は別に公演をしているわけではないのだろう。
(やっぱり寮か…いやどこだしわかんな…お兄ちゃんに電話しようかな)
その時、目の前で一台の車が止まった。
この劇場にようがあるようだ。もしかしたら関係者かもしれない。
車から人が出てくる。若い…お兄ちゃんくらいの年のイケメンなお兄さんだ。
迷わず声をかけた。
「…あ、あの!!」
「…ん?どうかしました?」
ミルクティー色の髪に綺麗なピンク色の瞳。近くで見るとなおさらイケメンだ。
…お兄ちゃんにはかなわないけど!
「ここの劇団の関係者の方ですか?私、この劇団の寮の方に行きたいんですけど…」
そういうと、お兄さんは一瞬固まった。
劇団の前に車を止めたってことは関係者のはずなのだが…違ったのだろうか。
「あー…うちのファンの子?悪いんだけど、寮まで押しかけられるのはちょっと…」
「…へ?」
苦笑いでそういうお兄さんに、思わず変な声が漏れる私。
前にもそういうことがあったのだろうか、どうやら盛大な勘違いをされているようだ。
「いや、そういうわけじゃなくて…」
「ほんとにさ、応援してくれるのはありがたいんだけどプライベートまで踏み込まれるのは…」
「あの!!!!話聞いてくださいお兄さん!!」
思わず大きな声で遮ってしまった。
いや、このお兄さんが被害妄想激しすぎるのが悪い。うん。
お兄さんもびっくりしてさっきの友人の言葉を借りるなら、ひょっとこみたいな顔をしていた。
「…お兄さん、たぶん団員さんですよね?私のお兄ちゃんもここの劇団で役者をしてるってさっき聞いて会いに来たんです。
月岡紬っていうんですけど…」
「え、紬の…?あ、言われてみれば似てるかも。」
どうやら事情を理解してくれたようだ。
話し続けるうちに、このイケメンなお兄さんは茅ヶ崎さんというらしい。
やっぱり団員さんで、お兄ちゃんのこともちゃんと知ってたみたいだ。
そして、話の流れで寮まで連れてってくれることになりました。
534人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨村(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» わわわ!!!本当ですね!!笑なんだか危ない感じに……( 報告ありがとうございます、修正しておきます!! (2018年10月14日 22時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 36のとこで、勉強がべんきになってますぞ…最初色んな意味でビビりましたわw (2018年10月14日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - にゃるさん» ありがとうございます…!!最近は更新ペースがなかなか安定しなくて本当申し訳ないです。頑張ります!!! (2018年8月22日 1時) (レス) id: 291ab6483c (このIDを非表示/違反報告)
にゃる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。これからも頑張ってください (2018年8月21日 21時) (レス) id: 1eb7bde713 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - 通行人Aさん» ほんとだ!!間違いです、すみません(><)ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨村 | 作成日時:2018年7月23日 0時