【A3!】 お庭番長の妹さん。 【茅ヶ崎至】

い　も　う　と　02 ページ3

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「何、どしたのさ。そんなひょっとこみたいな顔して。」


突然素っ頓狂な声をだした私を、友人が不思議そうな顔をして見つめる。
いや、ひょっとこみたいな顔なんてしてない！！といつもは言い返すのだが、今回ばかりはそういうわけにもいかなかった。

私はスマホの画面を友人の方に向けた。



お兄ちゃんA、俺また役者やることにしたよ

お兄ちゃんそれでね、今MANKAIカンパニーってところで住み込みで役者をしているから、前とは住所変わったから送るねれ



「アンタのお兄ちゃん ‟！” が ‟れ” になってるとかかわいいミスしてるね、それがどしたの？」

「そうじゃないわ！！久しぶりにLIMEが来たとおもったら…！！仕事やめて！！転職して！！昔挫折してた役者になって！！住所も変わってるって！！情報の暴力すぎる！！」


「…お、おう？そりゃ大変だね…？」


そもそも連絡が遅すぎるのだ、こういうことは事前に言うべきだ。
というか変換ミスかわいいのそれな！！さすがお兄ちゃん！！


「てか、MANKAIカンパニーって最近話題の劇団だよね？ここからすぐのとこにあるっていう…」

「それ、マ？！」


ここからすぐの、MANKAIカンパニー。
いまだに住所は送られてこないが、グーグル先生に頼ればなんとかなる。


(会いに行くしか、ない…！！)


もう何か月もあってないのだ。お兄ちゃんLOVEのブラコン妹 月岡A！
もうこれは行くしかない！！イベントなんて走ってる場合じゃない！！！！
お兄ちゃんが私を呼んでる…はず！！


私は財布からコーヒー代を出し、テーブルに叩きつけた。
急いで充電器とスマホをカバンにしまう。


「ちょ、A…？」

「ごめん、ちょっとお兄ちゃんに会いに行ってくる！！！」

「は？！え、ちょっと＿＿＿＿＿＿＿」


カランカランとドアの音が響くと、私は駆け出して行った。



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