い も う と 24 ページ25
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多く作ってはきたが、この調子だと無くなってしまう。
そう思い、隅にいる至さんに声をかけることにした。
「あの、至さん?」
「.....そっ.......レア.......」
(あれ、気づかれてない?)
丁度正面に立っているせいでスマホの画面は見えないが、何やら集中している様子。
お仕事のメールが来たりとかしたのだろうか。
「至さん?」
「っあ?!...なんだ、Aか。」
もう一度声をかけると、至さんは驚いたように声をあげ、サッとスマホをポケットにいれた。
...見られたらまずい内容だったのかもしれない。
「あの、クッキー焼いてきたんで、至さんもぜひ。」
「...あぁ、ありがとう。」
いつものようにイケメンスマイルをこちらに向けると、クッキーの方に向かう至さん。
私も慌てて後ろをついて行く。
「イタルー!!早くしないと私が食べちゃうネー!!」
「ちょっ、シトロンさん!!食べすぎっすよ!」
「はいはい、俺の分も残しとけよ」
(...なんだか、本当の家族みたいだ。)
至さんが前に言っていた、“家族みたいなもんだし、”という言葉。
それはきっと春組から来てるのかな、なんて思えた。
「ねぇ。」
「は、はい?」
春組の様子を見て和んでいると、突然真澄くんに話しかけられた。
相変わらず無表情でよく分からない。
「アンタ、監督と同じ部屋だろ?...俺のこととか、なんか言ってなかった?」
「いや、特には何も...」
「何も?」
「う、うん」
(いや、圧迫面接すぎるよなにどうしたの)
話に聞くには聞いていたが、真澄の監督への愛は本当らしい。MASUMIセキュリティだとかサイコストーカーとか、初めは冗談だと思っていたのだが。
(んん...ストーカーな部分の1片を見てしまっている気がする)
私の中でのイメージは、あくまでも学年1の美青年だったはずなのだが。
一気にストーカーの方が大きくなってしまった。
「えと...監督のこと、好きなんだね?」
「当たり前。アンタが同じ部屋とか、俺と変われば良かったのに。」
「いや、それ色々アウトなんじゃ...」
「問題ない。」
「いや、アウトだよ!!」
どこからか、綴さんの声が聞こえたところで、稽古は再開した。
(にしても、至さんのあの驚きようと必死さはなんだったんだろう?)
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雨村(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» わわわ!!!本当ですね!!笑なんだか危ない感じに……( 報告ありがとうございます、修正しておきます!! (2018年10月14日 22時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 36のとこで、勉強がべんきになってますぞ…最初色んな意味でビビりましたわw (2018年10月14日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - にゃるさん» ありがとうございます…!!最近は更新ペースがなかなか安定しなくて本当申し訳ないです。頑張ります!!! (2018年8月22日 1時) (レス) id: 291ab6483c (このIDを非表示/違反報告)
にゃる(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。これからも頑張ってください (2018年8月21日 21時) (レス) id: 1eb7bde713 (このIDを非表示/違反報告)
雨村(プロフ) - 通行人Aさん» ほんとだ!!間違いです、すみません(><)ご指摘ありがとうございます!!修正しておきます。 (2018年8月21日 11時) (レス) id: a3cc1f37d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨村 | 作成日時:2018年7月23日 0時