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恭平は、今日も枕元で、楽しい近況を
話してくれる。
恭平｢あのさ、クリスマスにあるライブの
俺のソロ曲決めろって今日言われたんやけど｣
A｢もう決めるんだね！
ライブまでまだ結構あるのに。｣
忘れもしない去年。
私は、約束をしてた。
恭平｢A、来るよな？｣
来年、行くからって。
A｢ 当たりでしょ？約束したじゃん！
...私ね、手術するの。｣
恭平｢え？｣
A｢今度ね、結構大きめな手術をするの。
難しいらしいんだけど、もし成功したら、
治るんだって！！｣
恭平｢それ、ほんとなん？｣
A｢うん。だから、成功したら、
元気になってライブに行けるよ！｣
嘘だよ。恭平。
手術なんて、もうできない。
もう、私の体は、治療を施しようがないほど、
壊れてるの。
もう、治療してないの。
もうやめた今、私はどんどん弱っていく。
恭平｢大丈夫なん？｣
A｢...頑張るよ！それでね、
色々検査とか、準備とかあるから、
恭平が来ても寝てるとか、検査中だったり
すると思うから、しばらく来ないでほしいの。｣
昨日までずっと考えてた、
恭平を突き放すセリフ。
どう言ったら自然か、ずっと考えてた。
ずっとそばにいてほしい。
でもそれ以上に、
恭平｢別にそんなん、気ぃ遣わんでええで？
寝顔見るだけでもええし｣
A｢これからライブの準備があるんでしょ？
そんな忙しいのにわざわざ来てもらって、
寝てるなんて申し訳ないもん。
お願い。｣
恭平の中には、かわいい私がいてほしいの。
いつも、かわいいって、言ってくれていたから。
恭平｢手術終わるまで、会われへんの？｣
A｢そーだね。その後、また検査が色々あるから、クリスマスまでかな。｣
恭平｢...分かった。
Aも大変なのに、俺ばっかりワガママ言うてられへんもん。｣
A｢ごめんね、急で。｣
恭平｢別にええよ。
A...、クリスマスに、会おうな。｣
A｢...うん！絶対！！｣
もう私に、絶対はない。
バレないようにしなきゃいけないのに、
涙が溢れる。
これでお別れなんて、嫌だよ。
恭平、行かないで。
恭平｢じゃ、俺また今から撮影やから｣
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作者名：瀬尾 愛良 | 作成日時：2019年1月16日 4時
