84*ダイヤモンドリリー ページ41
《XANXUSside》
ル「…………行っちゃったわね。」
先程までAがいた場所は、まるで最初から何も存在していなかったかのようだった。
気配も、温度も、全てがない。
唯一あるとすれば、Aの代わりのように残された、一輪の白いダイヤモンドリリー。
…………最後までキザな女だ。
レ「長いようで、短かったな。」
ス「そうだなぁ゛。」
Aが城に来て、目まぐるしいほど様々なことがあり過ぎた。
唐突にラピスを抱えてやって来たかと思えば、魔術師などとほざき始め。
我が物顔で城の中を闊歩し、いつの間にか、違和感無く溶け込んでいた。
良い意味で空気のような女だった。
何よりも、俺にとってはラピスの支えになっていることを感謝していなくもない。
『異質』同士通ずるものがあったのか、ラピスは日頃の人見知りでは考えられないほどAに懐いていた。
ラピスは、心の何処かでは周囲とは違う、『異質』であることを気にしていたのだろう。
故にAの存在は大きかったに違いない。
………………少々妬ける話ではあるが。
ベ「つーか、アイツが残していったコレ、何?」
ベルがダイヤモンドリリーを手に取る。
そして、それをそのままラピスの髪に挿した。
Aから貰った赤い髪飾りとよく合っている。
マ「ダイヤモンドリリーだね。花言葉は『また会う日を楽しみに』。彼女らしい別れ方じゃないか。」
マーモンがラピスの髪に挿したダイヤモンドリリーを少し直しながら解説をする。
ラ「……………また、会う………約束。」
ラピスはと言うと、思っているよりは落ち込んでいなかった。
再会の約束をしたからだろう。
この数日でAが約束事を破ることはないと分かっているからだ。
X「ラピス。」
俺が名を呼ぶ。
この世界にしかいない、俺の白の名を。
ラピスはゆっくりと俺の元に来た。
X「…………………寂しいか?」
俺はラピスの頭を撫でながら言う。
髪飾りとダイヤモンドリリーを崩さないよう、細心の注意を払って。
ラピスは猫のように、俺の手に頭を擦り付けながら首を横に振る。
ラ「次……………会う、楽しみ。」
その表情は、実に穏やかな表情で。
一時の別れの悲しさより、再会の喜び………か。
X「…………会いたくなったら、言え。呼び出してやる。」
5回ほどならタダで来るらしいからな。
5回ほどとか言いつつも、あの魔術師は気紛れでフラッとやって来そうな気もするが。
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか? (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます!!翼さんと相談してみますねw (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません!とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです!|ω')チラッ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます!続編は翼さんと相談しながらですねw (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
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