85*淹れる ページ42
《XANXUSside》
ベ「ししっ、とりあえず、紅茶飲まね?王子が直々に淹れてやんよ。」
ベルがAから受け取った紅茶の箱を右手で揺すりながら言う。
ベルも、そこまで落ち込んではいないようだ。
ラピスと同じく、再会の日を心待ちにしているのだろう。
ル「あら!それならドルチェ用意しないと!」
レ「この人数で茶葉は足りるのか?」
ベ「足りんじゃね?無くなったら今度Aが来たときに言って、追加貰えばいーじゃん。」
マ「もちろんタダで貰ってよね。」
ス「上手く淹れろよぉ゛。」
ベ「はぁ?誰に向かって言ってんの?王子が上手く淹れられないわけねーじゃん。」
幹部がぞろぞろと部屋から談話室兼食堂に向かっていく。
その光景は、数日前と何ら変わりがないものであったが、どこか物足りない気がした。
X「…………………行くか?」
俺がラピスに手を差し出すと、ラピスは俺の手を取る寸前で、
ラ「あ……………少し、待つ。」
と言った。
そしてパタパタと軽く駆けてプライベートルームに行き、『あるもの』を腕に抱えてすぐに戻ってきた。
『それ』を大事そうに抱えているラピスは、こちらの笑みが溢れそうになるほど幸せそうな顔だった。
X「…………………フッ………行くか?」
ラ「……………うんっ……」
そうして、俺達も談話室に向かった。
§
コポコポ………
ベルが持つティーポットから、黄金色をした液体がティーカップに注がれる。
辺りに紅茶の香りが広がる。
前から思っていたのだが、この紅茶の香りは、どこか百合のように気高い香りのような気がする。
ル「んふ♪良い香りねぇ〜♪」
ベ「王子が淹れてんだから当然だし?」
レ「問題は味だがな。」
マ「大丈夫なんじゃない?説明書通りにやってたみたいだから。」
ス「色がついてるだけってオチじゃねえだろぉなぁ゛?」
全員にカップが行き渡り、口をつける。
特有の酸味、甘味、苦味が程好く感じ取れ、香りが鼻を抜ける。
ベ「ししっ、上出来♪」
ベルの言う通り、上出来だ。
Aが淹れる紅茶と遜色ない。
ベ「今度Aが来たら飲ませてやろーっと♪」
ベルは紅茶の味に満足がいったのか、笑いながら言う。
この味なら、あの魔術師も満足するだろう。
俺は紅茶を口に含みながらそう思った。
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか? (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます!!翼さんと相談してみますねw (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません!とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです!|ω')チラッ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます!続編は翼さんと相談しながらですねw (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
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