64*ズコット ページ20
《ベルフェゴールside》
食堂のテーブルには、ズコットが既に置いてあった。
おそらくルッスが出しておいたのだろう。
実に気の利くオカマだ。
フ「ほう。ズコットか。」
ベ「お前には残念だろーけど、姫も食べるから酒は入ってねーよ。」
本来のズコットなら生地にワインやリキュールを染み込ませて香りをつける。
けれども、姫が食べるズコットにはもちろん入れない。
姫にアルコールはまだ早い。
フ「別に構わん。アフタヌーンティーに酒を持ってくるような無粋な真似はしない。」
Aと姫が席につく。
オレはズコットにナイフ(オレのオリジナルじゃない食事用)を入れ、切り取る。
今日のズコットはチョコレート味らしい。
良い感じに半解凍状態で、まさに食べ頃である。
ベ「はい、姫の分。」
ラ「……………ありがと。」
オレは姫の前にズコットを置き、続けてA、オレとズコットを切り取った。
ベ「んじゃ、食うか。」
ラ「……………いただきます。」
ふわっとした生地にフォークを入れ、一口含む。
予想した通り、チョコレート味だった。
フ「ふむ……………美味だ。解凍時間もちょうど良いな。何より、深いコクのチョコレートの中に現れる、細かく砕かれたヘーゼルナッツの香ばしさと食感が実に素晴らしい。」
ベ「……………一瞬どっかの食レポかと思ったぜ。」
しかし、Aの説明は非常に的確だった。
ルッス特製のズコットは毎回飽きないような工夫がしてある。
今回はヘーゼルナッツがポイントのようだ。
フ「世辞抜きで、本当に美味だ。貴様もそう思うだろう?」
ラ「……………うん。」
Aが姫の頭を撫でながら言う。
………………ん?
つーか………
ベ「A、姫の表情分かるようになったり?」
フ「あぁ、多少な。ラピスの目は口ほどに物を言うようだ。」
前にマーモンが言ってたことは理解していたらしい。
姫の表情を読むために目を注視していたみたいだ。
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか? (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます!!翼さんと相談してみますねw (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません!とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです!|ω')チラッ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます!続編は翼さんと相談しながらですねw (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
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