54＊表情 ページ10
《Aside》
ラ「……………。」
隣では、ラピスが無表情のまま黙って私と手を繋いでいた。
心なしか、僅かに視線を落とし、落ち込んでいるようにも見える。
フ「どうした？」
ラ「……………何……ない。」
何でもない、ということか？
接続語がないというもの考えものである。
ル「ほらほら、ラピスちゃん。Aと一緒に寝るならお洋服着替えてきなさい。」
ラ「……………分かった。」
ルッスーリアに言われ、ラピスはそっと私と手を離し、部屋から出ていく。
おそらく、寝巻きにでも着替えにいくのだろう。
私は離された自身の右手を見た。
その右手は微かに温もりが残っていたが、少し物足りない気がした。
ス「……………………ラピス、元気ねえなぁ゛。」
ベ「やっぱり？」
レ「いつも以上に無表情だったな。」
ラピスが部屋から出ていくと、幹部が口を開き、各々が喋りだした。
フ「そうなのか？私には変わらず無表情にしか見えなかったが？」
マ「ラピスは無表情だけど、感情表現は豊かだよ。」
フ「……………どういうことだ？」
無表情だが感情表現豊か？
言葉が矛盾している気がする。
ベ「姫は目で感情表現してんの。だから姫と話すときは目ぇ見ときゃ大体分かるぜ。」
ベルが少し得意気に言う。
フ「なるほど。今後注意して見ておこう。」
瞳ばかり注視するなど、なかなかすることではない。
私だけが些細なサインを見逃しているのかもしれない。
ス「だが、元気ねえのは……………アレだよなぁ？」
レ「だろうな…………。」
マ「そうだろうね。」
幹部全員が口にする。
アレ……………？
フ「何だ？原因は分かっているのか。」
それなら話は早い。
さっさと原因である『アレ』とやらを解決すれば良いのだから。
Ｘ「…………………テメェだ。A。」
XANXUSが急に口を開いた。
手にはテキーラの入ったグラスがある。
フ「…………何がだ？」
Ｘ「ラピスが悄気ている原因に決まってんだろ。」
フ「私が？」
何か気分を害するようなことをしたのだろうか。
思い当たる節はないのだが…………。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (
レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか？ (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます！！翼さんと相談してみますねｗ (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません！とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです！|ω')ﾁﾗｯ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます！続編は翼さんと相談しながらですねｗ (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
