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ギシギシ、と床が唸る。といっても建て替えせ、と言うほどではないが。しかし、年季が入っていて、この雰囲気は私は好きだ。そもそも私はここに滞在することはないけれど。
スタプロ最高権力者とはすごいものである。女人禁制の星奏館に女を入れるように交渉できるのだから。しかも驚いたことにそれが決まったのは今日の早朝のことだった。
片手にはお菓子の袋がぶら下がっていた。ALKALOIDへの差し入れである。私とあんずちゃんと英智先輩からの差し入れが入っている。お二人は他の用事があるため、私が代表して届けることになった。といっても話すことはできないため、渡したら即座に次の目的に移るけれど。
「よォ、Aちゃん♪俺っちに会いにきてくれたのかァ?」
「......わっ!」
肩にずんっと重みがかかる。私の肩に腕を乗せ、しかも手で頬を挟まれる。顔が潰れる〜。
「いひゃいです、はにゃしてください......」
「さっきはひどい顔をしてたが少しはいい顔になったっしょ」
少しむくれる。でもそんなにひどい顔をしていたのか。そんな彼はまだ私の頬を軽く挟んだりつついたりしている。
「燐音さんに用があったのではなく、ALKALOIDに用があったんです」
「ALKALOIDなら今はここにいねェよ。彼らが戻ってくるまで話さねェか?」
「まぁ、いいですけど」
顔に表情が出ていない
「よっしゃ、今日の俺っちはついてんなァ、13勝5敗今日も勝ち越しが濃厚!」
ギャンブルは一生縁遠いものだと思っていた。が、人生何があるかわからないな......
多分Crazy:Bの部屋だろうか、入って真っ先に汚いなぁ、と思ってしまった。ゴミが散乱しているというより、衣類や本などごみとは言えないものが散らばっていた。
「好きなところ座ってくれよ」
「わかりました〜」
床は座る場所がないと言っても過言ではないので適当なベットに座る。
「Aちゃんに提案があるんだ、どうだ興味あるっしょ?」
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作者名:月海 | 作成日時:2020年10月17日 20時