夢見た世界 3【名探偵コナン】

救済 萩原研二の場合 ページ3

11月7日




「ついに、来てしまった…」





恐れていた日。




しかもその恐れていた日の中でも最初の日だ






彼が死ぬ運命で決まってしまっていたら、きっと何をしても死んでしまう



それが怖かった




原作を、大きく変えてしまうことが、怖かった










他になにか大きな影響を及ぼすかもしれない






それでも、私は救うためにこの世界へ来たのだと信じて。











「…助けるよ」







零たちに怪しまれないよう今日は仕事を休まなかった




外回りだと言って職場を出てきたところだ





公安という立場なこともあって、公安以外の同期とは卒業してから連絡を取っていなかった




彼らは私たちが公安ってことも知っているから、返事しろよ！！などという連絡は来ていないが、既読がついているのを確認しているからか、定期的に連絡をくれる



3人で飲みに行ったりもしていたらしい。同期愛半端ないな







「それにしても…どうしようかねぇ…」






この男を救うのは本当に大変だ…




漫画では名前しか出てこなかった男だ


アニメで急に顔まで出てきやがって！！それですぐ死にやがって！！！




情報が少なすぎるぜ…




10億円がどーのこーのというこの事件は、公安が追うほどのものではないため捜査権は公安には回ってこないだろう





現在時刻は午前10時



確か、10時35分に第一現場付近の交通規制が解除されていたから爆発はそのくらい…？





で、萩原研二が担当した第二現場が、朝日ハイランドスクエア、か…？




元の世界にいた頃アニメで死ぬ気で聞き取ったけど本当に合ってるのかまじで不安なんだけど！！！





ようやく辿り着いたそこは、アニメで何度も見た高層マンションだった



「…合ってた」






既に中には彼がいるのだろう



容易に中には入れそうにない





裏に回れば裏口があるらしく、そこにちょうど警備員が2人




何とかあの2人の目を誤魔化せれば…




公安であることがバレたら面倒だし、住人を装うか…？



いやさすがに入れてもらえないだろうな…




そう考えていると警備員に内線が来ていて、「不審車両を発見！出動されたし」とのこと。




えぇ、ちょっと待って、これはそろそろ犯人の1人が死ぬのでは…？





まずいな、と思ったが裏口の警備員が2人とも出動要請に応じた




えー、有難いけど誰もいなくなっちゃダメだろ…




2人が離れた隙に中に入ると同時、別の警備員がやってきた




セーフ…

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