夢見た世界 3【名探偵コナン】

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急いで20階まで駆け上がる




エレベーターは使えなかった





そもそも音が出たらバレるのでどちらにしても私には階段しか手はない






「きっ、つ…」






流石に現役警察官と言えど一気に20階まで駆け上がるのはきつい。だいぶ息が上がってくる。






心臓がバクバク言うのを無視して私は階段を駆け上がり続けた






「10時35分…交通規制解除ってことは…陣平がこっちに来る頃かな…」




盗聴して聞いていたアナウンスからは交通規制解除という声が聞こえたのを合図に、駆け上がるスピードをあげる




正直、そもそも犯人の1人を死なせない！という手もあったが、研二が生きている姿をこの目で確かめなければ安心できなかった。





そして、そんなことをしては4年後、陣平がどうなるかも予想がつかない。





犯人たちには申し訳ないが、そこまでは原作通りに進めさせてもらう。





別の命のために、救える命を、見捨てることを。





そもそもあんたらが悪いんだとどうにか頭を納得させていると、ようやく20階まで辿り着いた






緊張感からか、逆に息切れはしなくなっていた






大丈夫。絶対に、大丈夫。









チラ、と人の気配がある方を覗けば、壁にもたれかかってタバコを吸う男と、その周りに数名の機動隊員らしき人たち。






いた。




原作のまま。






陣平から電話がかかってきたらもう始まってしまう。





何とかその前に、ここから全員退避させなければ…






私は足音を立てないように彼らに近付いた









「…やぁ、警視庁警備部機動隊爆発物処理班 萩原研二くん？」






その声に驚いたようにその場にいた全員が振り向いた






「ちょ、近隣住民の避難完了したんじゃ…ってAちゃん！？！？」





「どーもどーも、これはまた大変な事件に巻き込まれているようで！」




「いやマジで何してんの！？分かってる？ここには爆弾があるんだよ、だから君は早くここから逃げなさい」




「その前に、ちょっといいかな？話があるんだけど」



「話なんて後でもいいだろ？」



「ダメ、今！…そこのあなた達も、全員ついてきて」




私がただの一般人だと思っているのか、従おうとしない機動隊員。




まずいなこのままじゃ…




私はズカズカと研二に近寄って彼の耳を引っ張った




「は、や、く、着いてきて？」



ニコニコと笑顔で言えばさすがの彼も私が怒ってると思ったのか痛いよ！と言いながらも私に引っ張られてくる

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