【stpr】Dark Strawberry Land

＊１０話＊【捜索開始】 ページ11

私が首を傾げると、莉犬は「だって…」と足元に視線を向けた




そこには…




「莉犬くん！あ〜そぼっ！/コーヒーカップ乗りたいから扉開けてよ〜！/お話長い…！私たちともお話してよ…！」




幽霊の子供達が莉犬の周りに集まっていた




『フフ…人気者なんだね』




私はしゃがんで幽霊の子供たちと同じ目線になる




と言っても、皆顔は見えないのだけれど




『お兄ちゃんを取っちゃっててごめんね、すぐに遊んでくれるからね』




幽霊の子供たち「うん！ありがとうお姉ちゃん！」




この子達は…本当に無害なんだ…




なんの罪もないこの子達を助けられないのかな…？




生き返ることは出来ないけど…せめて成仏だけでも…




莉犬「で、何処から見るの？」




『…！あっ、そうだね』




確かに、この子達のことも大事だけど…




まずは、自分の状況をどうにかしなきゃ…




私は莉犬の言葉に立ち上がりながら答えた




『まずはコーヒーカップから、私がStrawberry Landを回った順に探す』




莉犬「えぇ!?俺んとこ!?絶対無いよ!?」




『でもさっき「くまなく探しなね」って言ったのは莉犬だよ？これで莉犬のところにあるのを見逃して他を探していたら、灯台もと暗し、本末転倒だよ？』




莉犬「ウグッ…分かった分かった…案内するよ、ゲスト様」




莉犬は少し顔を引きつってから、礼儀正しくお辞儀をした




鍵…早く見つかるといいな…




ーーーーー
『ねぇ、鍵ってこういうゴミ箱とかに隠されてたりするのかな？』




私はコーヒーカップに向かう途中にあった、自販機横のゴミ箱を覗きながら言った




莉犬「さあね、でも主様の事だし…そんな簡単な所には隠さないよ」




えっ…？




『鍵って主様が隠したの？』




莉犬「うん、あぁ〜正確にはメイドが主様の言う所に隠した」




「メイド」…メイドがいるくらいの財力者なんだ




まぁ不気味ではあるけど、この大型遊園地の創立者兼総管理者兼莉犬たちの雇い主だものね、相当な権力者なのだろう




『じゃあ流石に誰か見つけるでしょ…？同じ所にずっと隠されてるなら』




莉犬「…？同じ所じゃないよ、新しい居残りゲストが来る度に違う所にメイドが隠してる」




ウゲッ…なんて面倒な事を…あと「居残りゲスト」ってなんか嫌、間違っては無いけど




『なぁ〜んだ、意外と難しいのね』




私たちはまたコーヒーカップに向かって歩き出した

＊１１話＊【メイド】→←＊９話＊【敵？】

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