24.取引とは、想いとは。 ページ25
私が話す間、トキヤくんは約束通り口を挟まずにちゃんと聞いてくれた。
だからかはわからないけど、家族に話す時よりすごく安心して話せた。
(さっきまであんなに話したくなかったのに…)
トキヤくんが聞いてくれることで、心が軽くなる。思っていることを吐き出せる。私がいじめなんてやっていないこと、ちゃんと信じてくれてると感じる。
すごく楽になる。
『…なの。だからね、私は本当にやってないんだけどいつの間にかキョーダイに家族扱いされなくなっちゃって…風斗と琉生っていうお兄ちゃんくらいしか信じてくれてないんだ…』
改めて言葉にすると余計悲しくなってしまう。
トキヤくんが真剣に聞いてくれているから尚更その事実を突きつけられる感じがして……え?
ト「そんな辛いことが…よく頑張りましたね、でももう頑張らなくていいんですよ。私が…いいえ。私達の周りの人間、音也や翔達みんながきっと貴女の事を信じるでしょう。貴女は、嘘をつく人ではありませんから。いじめなんてできるような人柄じゃない。全部、わかっていますよ。」
トキヤくんに抱きしめられて、がんばらなくていいよと言われて、我慢してきた枷が外れたかのように号泣してしまった。
ト「泣きたい時は、思う存分泣けばいい。」
トキヤくんが抱きしめてくれて、暖かくて。頭を撫でてくれて、安心して。
たくさんたくさん泣いた。
今まで我慢してきたことは積もりに積もっていたらしく、私は暫く泣き止めなかった。
☆
ト「…落ち着きましたか?」
『うん、ありがと。…ごめんね、シャツびしゃびしゃ…』
ト「このくらいなんてことないですよ。それよりも、はい。まだ口は付けていないので大丈夫ですよ。」
『え?』
ト「たくさん泣いて、喉が渇いたでしょう?遠慮なんてせずに、もらってください。遠慮なんてしたら本当に怒りますよ。」
『えええっあっありがたくいただきます!』
半ば強引に押し付けられたミルクティー。飲むと適度にあったかく、落ち着く甘さだった。
(…あれ、トキヤくんって普段こういうもの飲まないよね…?どうして持ってたんだろう?)
ト「それを飲みながらでいいので、次は私が話しますね。約束通り、私の気持ちは変わっていませんし、貴女にばかり話させているのも心苦しいので。」
『あっ、う、うん!何聞いても絶対誰にも言わないよ!』
ト「それは頼もしい。私も口外したりは絶対しませんので安心してください。」
『そこのところは信頼してる、物凄く!』
25.トキヤとは、HAYATOとは→←23.トキヤとは、秘密とは。
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黒川朱里 - 『かしこま』がプリパラのらぁらちゃんみたい (2020年1月1日 16時) (レス) id: 5cd4f581f9 (このIDを非表示/違反報告)
アリス姫(プロフ) - ジャスミンさん» 了解です!明後日くらいまで受け付けようと思ってるので、最終的にどうなるかはわかりませんが、今のところはこれ1本でいきますね! (2015年6月2日 17時) (レス) id: 0c0cdf0467 (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン(プロフ) - アンケート?ですが、この作品一つにしぼって欲しいです。更新楽しみにしているので続き、頑張ってください。 (2015年6月2日 13時) (レス) id: 43cb043e68 (このIDを非表示/違反報告)
アリス姫(プロフ) - ゆかりさん» ありがとうございます!これからは多分大丈夫だと思います♪ (2015年5月28日 16時) (レス) id: 0c0cdf0467 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 更新頑張って (2015年5月28日 10時) (レス) id: 6b495d3733 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス姫 | 作成日時:2014年12月13日 8時