検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:40,326 hit

花宮×蓮水―9― ページ43

週末、いつもなら花宮さんの家に行く事が多いけど、今日は仕事が長引いているらしく、帰りが遅いらしい

その為1人でご飯を済ませ、寝る準備に入る




『……帰ってきたら、おすそわけだけしてあげようかな……』




きっと疲れて帰ってきたら、ご飯を作る余力もないはず

そう思った私は頼まれてもいないおかずをタッパーに詰める

こうしてちまちま好感度を上げるしか方法が思いつかないから……




『あ!洗濯物!』




その時、洗濯物を干しっぱなしにしていた事を思い出し、私は急いでベランダに出た

すると、既に隣の部屋からは電気の灯りが漏れていた

そして隣もベランダに出てきたのか、ドアが開く音が聞こえる

でも隣からは複数の声が聞こえてきた




「疲れてんだからさっさと帰れよな」


「わかってるって!」




花宮さんと、もう1人は誰だろう……少しお調子者っぽい感じの男性だけど、花宮さんと親しげに話している

お客さんが来ているなら、ご飯持って行くのはやめておこう

そう思い部屋に戻ろうとした時




「花宮、経理のアユミちゃんがお前の事狙ってるってよ?」


『!』




私はその声を聞き、立ち止まった

聞き耳なんてよくない。わかってる

でも、聞かずにはいられなかった私は息を潜め、その場に残ることを選んだ




「興味ない」


「またまた〜。うちの会社でトップクラスの美人だぜ?」


「だから、興味ないって言ってるだろ」




私はその答えを聞いてホッとする

でも、それも一瞬の間だけだった




「お前さぁ、まだ元カノのこと引きずってんの?」


「……関係ねーだろ」




元カノ……そう、だよね……花宮さんくらいモテて、仕事できる人なら……何人いたっておかしくない




「だったら今度花宮んちに同期呼ぼうぜ」


「絶対入れない」


「なんでだよ!酔った勢いでワンチャンあるかもしれないだろ?」


「女は入れないって決めてんだよ」


『!』


「意味わかんねー……花宮って潔癖なわけ?」


「別にそういうわけじゃねーよ」




それからも談笑が続くが、私はふらふらと部屋の中に戻った

そして、ポタポタと涙が零れて床を濡らす

花宮さんに元カノがいるのは想像できるし、わりきれる。でも、忘れられないことを、花宮さんは否定しなかった……それに、女性は部屋に入れないって……

花宮さんにとって私は、女性として見られていなかった

その事実が悲しくて、つらくて、苦しくて……どうしようもなく胸を締め付けた

花宮×蓮水―10―→←花宮×蓮水―8―



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , 花宮真   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みかん(プロフ) - 五月雨雫さん» わぁぁコメントありがとうございます(´;ω;`)!!!完結後にも感想をいただき本当に嬉しいです(泣)おかげさまで私も作ってよかったと思えました!!またどこかでお会いできることを楽しみにしています(*‘∀‘) (2020年5月11日 9時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨雫(プロフ) - 全話読ませてもらいました!!凄く好みの感動系でなんと言ったら良いか…!作品、物凄く好きです。読者一意見として作ってくださってありがとうございます!! (2020年5月10日 8時) (レス) id: 603d70d68d (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» ご丁寧に返信までいただきありがとうございます(泣)感謝感激です(´;ω;`)これからも誰かに感動してもらえるような作品を作れるように励もうと思います!こちらこそありがとうございました(泣) (2019年11月20日 11時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - こちらこそ本当に素敵な作品をありがとうございました。最後のお話で本当に感動で泣けました泣ありがとうございました!!! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» あああぁぁああぁ(嬉し過ぎて語彙力が著しく低下しました)笑。コメントありがとうございます!!まさか、自分の作品で感動していただける日が来るとは……その事実に私も感動しました(泣)作ってよかったと思えました!!本当にありがとうございます!! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 60ab1a28d9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/alice99101/  
作成日時:2019年10月1日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。