地縛霊―27― ページ27
軽い陰口くらいなら耐えられた
でも、いじめはヒートアップするばかり
「あいつ、どこ行ったんだよ」
「わかんねー」
「てかさ、あんなブタに抱かせるの勿体なくね?俺普通に好みなんだけど」
「使用済みで良ければ使えば〜?あははは!」
じっと彼女たちがいなくなるのを息を潜めて待つ
今にも嗚咽が漏れてしまいそうなのも、震える身体を抱き締め、必死に耐える
次第に自分が息をしているのかさえ曖昧になるほど、少女の脳に恐怖が植え込まれた
何時間経ったのだろう
少女の意識が戻った頃には、当に外は暗闇に包まれていた
教室の時計を見ると、時刻は22時を回っていた
さすがにあの子たちも帰っただろう。そう思った少女は狭い掃除道具入れから出ることにした
きっとこんな時間になっても、私を心配する人なんてあの家にはいない
学校も、家も、どこにも居場所がない
この先ずっと、恐怖に怯えながら生きていく
少女の心は限界だった
涙も枯れ果ててしまった
少女の足は、無意識に屋上へと向かって行く
外は雨が降っていた
上履きを脱ぎ捨て、高いフェンスを登る
『さようなら』
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「私、Aに合わせる顔がなくて、お葬式も参加できず、一人で家に閉じ篭ってた」
高校1年の時、姉貴が学校を休んでいたのはこの事が原因だった
自分のせいだと追い込んだ姉貴は、家族にもその事を打ち明けられなかった
「それで2週間くらい経って、やっと心の整理がついた時、先生に聞いてAの家にお線香をあげに行ったの……」
『っ!あの家に……来たの……?』
「そこでご両親らしい人が出てきたけど……入れてもらえなかった。"もうそういうのはうんざりだ"って。正直、あまり雰囲気の良い人たちではなくて、怖かったけど……1回だけでもって、お願いしたの」
『……』
「そしたら、"あいつは元々俺達の子供じゃない、関係ない。だから帰ってくれ"って……きっと、Aは学校だけじゃなく、家でもいい思いをしていなかったんじゃないかって思った。それなのに、私、Aの事何にも知らなくて……」
『ごめんね、あーちゃん……ごめんなさい……』
泣き出す姉貴に、Aは謝り続ける
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みかん(プロフ) - 五月雨雫さん» わぁぁコメントありがとうございます(´;ω;`)!!!完結後にも感想をいただき本当に嬉しいです(泣)おかげさまで私も作ってよかったと思えました!!またどこかでお会いできることを楽しみにしています(*‘∀‘) (2020年5月11日 9時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨雫(プロフ) - 全話読ませてもらいました!!凄く好みの感動系でなんと言ったら良いか…!作品、物凄く好きです。読者一意見として作ってくださってありがとうございます!! (2020年5月10日 8時) (レス) id: 603d70d68d (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» ご丁寧に返信までいただきありがとうございます(泣)感謝感激です(´;ω;`)これからも誰かに感動してもらえるような作品を作れるように励もうと思います!こちらこそありがとうございました(泣) (2019年11月20日 11時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - こちらこそ本当に素敵な作品をありがとうございました。最後のお話で本当に感動で泣けました泣ありがとうございました!!! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» あああぁぁああぁ(嬉し過ぎて語彙力が著しく低下しました)笑。コメントありがとうございます!!まさか、自分の作品で感動していただける日が来るとは……その事実に私も感動しました(泣)作ってよかったと思えました!!本当にありがとうございます!! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 60ab1a28d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/alice99101/
作成日時:2019年10月1日 17時