赤司くんはちょっと抜けてる【黒子のバスケ】

―43―修羅の道 ページ45

Aside




「ねぇ、藍沢さん」


『え!?』




お昼休み

いつも通り食堂に行こうとしたら、別クラスの子が立ち塞がった




葵「ちょっと話したい事があるの、いいかな？」


『う、うん……』




そこには葵ちゃんもいた

一緒にいる子は私を睨むように視線を向けている

これは明確に表示された……悪意だ


私は断れるわけもなく、ただ後ろを付いて行った




「あんたさ、いい加減赤司くんに付きまとうのやめたら？」


『え……？』




人気のない場所に来たと思えば、いきなり出てきた言葉に驚く




「何しらばっくれてんの？婚約者がいるって知ってて手出すとか本当にありえないんだけど」


葵「そうだよ……。Aちゃん、私と征十郎くんの事、お似合いだって言ってくれたのに……酷いよ……」




葵ちゃんはうるうると目に涙を溜めている

でも、赤司くんは婚約者じゃないって言ってたのに……




「今までは先輩に目かけられてるから大目に見て来たけど……さすがに葵が可哀想なんだけど。性格悪すぎ」




私は怖くて何も言い返せなかった

どうしよう、足が震えてきたかも……




「由良も可哀想だよね、こんな人が妹なんてさ」


『え……』


葵「由良ちゃん言ってたよ？Aちゃんとは、学校ではあまり話したくないって」


由「何してるの？」




その時、突然由良が現れた

どうしてここに……




「由良！いい所に！」


由「たまたま通りかかったら私の名前が聞こえたような気がしたんだけど……」


『由良……』


「ねぇ、人の好きな人取る奴って最低だと思わない？」




由良は少し沈黙した後、ニコリと微笑んで答えた




由「えぇ、最低だと思うわ。ダムに沈めたいくらいに」


葵「け、結構言うね;;」


「で、でもさ、やっぱりそうだよね！人間のやることじゃないし！」


由「そうね。知能で言ったら猿以下だと思うわ。ね？Aもそう思うでしょ？」


『え』




ここで私にふる!?




『そ、そこまで酷いかなぁ;;』


「なに図に乗ってんの？このクズ女！」


『いたっ！』


由「！」





私は突き飛ばされた拍子に地面に尻餅をついてしまった




由「A！大丈夫!?」


「ちょ、なんで由良が気にかけるわけ？」


『由良、私は大丈夫だから！怒らなくてもいいから！』




ダメだ、由良に私の声届いてない……！;;

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