赤司くんはちょっと抜けてる【黒子のバスケ】

―28―デートのお誘い ページ28

私は結局、先輩達の質問を濁してしまった

ただそれは問題を先送りにしているだけであって、現状に甘えているだけなのは分かっていた

そう、分かっていはいるんだけど……




「みてみて、赤司くんいるよ」

「やっぱりかっこいいよねぇ！」




あの人気者の赤司くんと付き合いたいかと言われればまだよく分からないし、付き合ったとしてもつり合う自信はない

それに、未だに赤司くんが私を好きな理由や、そのきっかけすら知らない

あれだけ良くしてもらって気持ちを疑うわけではないけど、やっぱり納得はいきそうにない……




『本人に直接聞いてみるか……』


赤「何を聞くの？」


『え!?あ、赤司くん、いつの間に!?』




休み時間、教室に戻る途中赤司くんに声をかけられた




赤「何か悩み事？」


『ううん！何でもない！気にしないで;;それより、どうしたの？』


赤「今週の土曜日、午後は自主練になっていると思うんだけど、Aは何か用事ある？」




そういえば自主練って所謂お休みみたいなものだって言ってたな




『特にないよ』


赤「実はその日実家の所要で東京に帰るんだが、良かったらAも一緒に来ないかな？」


『え……!?東京に!?』


赤「もちろん費用はこちらで負担するつもりなんだが、どうかな？」




赤司くんと一緒に東京!?

しかも、実家に帰るって……！

いやいや、でもお家に友達を招待するのって普通のこと……だよね？

でもいきなり東京だなんて……;;




赤「迷惑……だったかな？いきなりだし、断ってくれてもかまわない」


『お、お供します！』


赤「本当にいいのかい？」


『う、うん。大丈夫だよ』


赤「ありがとう、また時間は後で連絡するから」




あんな悲しそうな顔をされては断れるわけがない。まぁ、そもそも断る理由もないわけだけど……


東京か……行った事ないし、もちろんどんな所か気になる

でもまさかこんな形で初めて行く事になるとは……

それに、赤司くんと一緒にどこかに行くのって初めてだな

赤司くんと……一緒……一緒……2人きり……？

もしかして、デートのお誘い!?

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