―16―不器用と鉄分 ページ16
『あの、迷惑かけてごめんなさい』
赤「それは気にしなくていいよ」
『あと、なんで膝枕……?』
そう言うと、赤司くんは頭にハテナを浮かべながら答えた
赤「鼻血を止める最適の高さは膝枕だろう?」
『え』
赤「?」
いやいや、初耳だよ!!絶対先輩達の入れ知恵だよ!!
って思ったけど、赤司くんがあまりにも真面目な顔をして言うものだから、本当にそうなのか分からなくなり、とりあえず膝枕の件は保留にすることにした
赤「すまない、僕の膝では固かったかい?」
『え!?そ、そんなことないよ!』
赤「それなら良かった」
気にするべきは絶対にそこじゃない気がするけど……ここは話を合わせておこう
あとで先輩達を問い詰めてやる
赤「A、今日はもう帰っていいよ」
『!』
そう言われた瞬間、頭を鈍器で殴られたかのような頭痛が襲う
"藍沢さん、もう帰っていいよ?"
口角を上げながら、嘲笑うように言われた昔の記憶
いやなものを思い出してしまった……
その時、赤司くんがまた私の頭に優しく触れる
その手はまるで割れ物を扱うかのように優しい手つきだった
赤「体調が悪い時はゆっくり休んだ方がいい」
『う、うん……』
恥ずかしかったけど、なんだかその言葉が、私を撫でる手が、頭痛を和らげてくれるような気がした
人に甘えるのは苦手だけど、今だけはこうしていて欲しい
赤司くんはあの人達とは違う
早く治して、明日からまた頑張らないと!
*
次の日の朝
準備の為に早朝から体育館に向かうと、鍵が既に開けられていた
でも、中を覗いても誰かがいる気配もない
お手洗いにでも行ってるのかな?と思い、私はモップかけをしようと倉庫に向かうと、後ろから声をかけられた
千「おい」
『あ、え……!?黛先輩、いつから!?』
千「お前より先に体育館にいたんだけど」
『す、すみません。気がつきませんでした;;』
そう言うと黛先輩は不機嫌そうな顔をしたけど、私にスッと袋を差し出してきた
『何ですか、これ』
千「ヨーグルトにゼリー、あとサプリメント」
袋の中を覗くと、○イダーインゼリーのグレープ味、鉄分!と書かれたヨーグルト、栄養サプリメントが入っていた
『貰っていいんですか……?』
千「いらないなら返せ」
そう言って黛先輩が手を伸ばそうとしてくるので、私はサッとその手から袋を遠ざけた
『いえ、ありがたくいただきます!』
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みかん(プロフ) - ゆな子さん» まさか、知らないうちににゃんこ大戦争ネタが混じってたンスか!?((黄瀬風(笑)コメントありがとうございます!!ちゃんと可愛い赤司様になってたみたいで良かったです(泣) (2019年8月23日 11時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな子(プロフ) - 無性に『にゃんこ大戦争』を思い出したのだよ。((緑間風 赤司様様可愛いです// (2019年8月23日 10時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - アンズさん» いつまでもリプ返す私もいけないんですけどwwおやすみなさい(^^) (2019年6月17日 23時) (レス) id: 316c9723b3 (このIDを非表示/違反報告)
アンズ(プロフ) - ありがとうございます!今度こそほんとに落ちますね(笑) (2019年6月17日 23時) (レス) id: 7c15717d35 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - アンズさん» 夜分遅くにこちらこそありがとうございます!遊びに行かせていただきます(^^) (2019年6月17日 23時) (レス) id: 316c9723b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん | 作成日時:2019年5月9日 13時