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「君の注射を隠したのは私なんだ。」

「えっ?」

「君が本当にヴァンパイアなのか確かめたくてね。」



ルーピンは上体を起こしにっこりと微笑むと
Aの口についた血を指で拭ってやる
それをぺろっと、舐めとると
その味に顔を顰めた



「どうしてこんなことしたんですか」

「私も君と同じだから。」

「えっ?」



私は人間じゃないんだ。と
先生は確かにそう言った


「私は''人狼''だよA。」

「そんな、まさか、」

「君の秘密を私だけが知っているのは
フェアじゃないからね
これでおあいこだ。」


何が何だかよく分からなくて
けれどもずっと隠し続けてきたこの秘密を
この人の前では隠さなくてもいいんだと
そんな風に考えただけで気が楽になる


私達ヴァンパイアは
その身を潜ませてここまで生きてきた
何故なら見つかれば老若男女問わず
アズカバン送りにされるから
勿論私の両親もそうだ

ここホグワーツが私の唯一の居場所で
ダンブルドアが唯一の親代わりだった
この秘密を抱えてここまで生きてきて
ずっとずっと苦しかった

どうして私は人間じゃないのだろう。と
来る日も来る日も泣き続けて
襲ってくる吸血衝動を必死に堪えて


「もう大丈夫だよA。」



頭を優しく撫でるその手が嬉しくて
同じ苦しみを味わっている人が
こんなに身近に居たことが嬉しくて


「ありがとう」


思いっきり抱きつけば
先生は驚いてその両腕を彷徨わせる
けれどすぐに私を自分の方に抱き寄せて


「吸血衝動が起きたら
我慢せずに私の所に来てほしい。」

「でも......」



ルーピンは人差し指をAの唇に置いて
何も言うなというように眉を上げた



「約束。」




Grab this hand
差し出されたその手を掴んだ時
きっと世界は光で満ちるから

強い女→←.



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設定タグ:リーマス・ルーピン , ハリーポッター   
作品ジャンル:恋愛
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usagi(プロフ) - 十和子さん» 十和子様、初コメありがとうございます。切ないお話よりも甘いお話の方が需要があると思っていたので、何度も読んでおられると聞いて書いてよかったなと嬉しく思っております。連載の方にも目を通して頂けているようで;;これからも作者共々よろしくお願いします* (2020年5月10日 23時) (レス) id: ea4cc15c20 (このIDを非表示/違反報告)
十和子(プロフ) - 初コメ失礼します!!usagiさんの小説すごく面白く、いつも楽しみに読ませていただいています!!連載ももちろん好きなのですが、短編の勿忘草をあなたにが特に好きで何度も読んでいます!!トンクスが絡むと切ないお話になって本当大好きです!これからも応援してます (2020年5月10日 22時) (レス) id: 178ca6d29c (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 木下さん» コメント有難う御座います。ご期待に添えるよう頑張ります* (2020年1月22日 12時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
木下 - 初コメ失礼します!続編とても嬉しいです!楽しみにしています!頑張ってください! (2020年1月21日 22時) (レス) id: 2d49427796 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 名無しさん» 此方と致しましては、指摘された内容に関しては注意事項に記載しており、こんな展開があればいいな、といった気持ちで書いておりましたのでそれにより不快な思いをされている方がいる事は考えていませんでした。貴重な御意見有難う御座います。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:usagi | 作成日時:2020年1月9日 19時

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