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「ああ、今紅茶を入れるから楽にしてて」
「言われなくても、もう楽にしてるから
大丈夫よリーマス？」
ソファにごろん、と寝転がった姿を見て
呆れたように笑いながら
カップに紅茶を注ぐルーピン
Aはそんな彼の手元を眺めていた
「砂糖はどうする？」
私に尋ねながら自分のカップに
角砂糖を一つ、二つ、三つ、と落としていく
そんな相変わらずの甘党ぶりに思わず頬が緩んだ
「大丈夫よ、ありがとう」
私はソファから起き上がり
紅茶のカップを受け取ると口を付けた
今日はアールグレイのようだ
冷えていた体がどんどん温まっていく
ほっ、と一息ついたとき
ふと視線を感じたAは顔を上げた
「どうしたの、リーマス」
ルーピンは何も言わずに微笑むとゴソゴソと
包みを開けてチョコレートを口に放り込む
変なの、とAは紅茶を啜り
チョコレートを貰おうと
ルーピンに向かって手を差し出した。
すると、それに気付いたルーピンは
何も言わずに席を立つと
Aの横に移動してきた
「チョコ、食べたいの？」
「…食べた…んん、」
'' 食べたい ''
そう言い終わる間もなく
Aの唇はルーピンの唇によって塞がれていた
歯列を割って入り込んでくる生暖かいもの
それが彼の舌だと気付くまでに
随分と時間がかかった
奥に逃げるように引っ込めた舌を
ルーピンはあまりに容易く捕らえてしまう
舌に絡んだチョコレートの風味が、
その甘さが、口の中に広がっていく
息が苦しくなったAは
ルーピンのその背を、数回叩いた
「…っ」
唇が離れた瞬間、
胸の中に大量の酸素が入り込んできて
どちらのものとも言えない
唾液が糸を引き口角から零れていった
ルーピンは目の前で息を荒らげるAを見つめる
上気した頬が、とろけたようなその目が
唾液によって濡れたその唇が
どうにも色っぽく、それでいて儚くて
これ以上進めれば壊れてしまいそうで
ふと、我に返ったように
目の前で息を整えるAを
ルーピンはそっと抱きしめた
「リー…マス……」
「チョコレート、
食べたいって言ったのは君だ＿」
「……もっと」
何故そんな事を口走ったのかは分からない
ただ、彼のキスの上手さに
溺れたかったのかもしれない
ルーピンは驚いたようにその目を開いていたが
すぐにいつものくたびれた笑みを浮かべた
それが何だかもどかしくて、
私はルーピンの鳶色の髪をそっと撫でると
そのまま彼の唇を奪った
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しょこら(プロフ) - はじめまして！素敵な作品すぎてコメントさせていただきます！本当にこの作品大好きで何回も読ませてもらってます！ちなみに今から4回目行ってきます！笑どのキャラの心境も繊細に書かれていて見る度惹き込まれます…これからもusagiさんの作品楽しみにしています！ (2022年1月24日 23時) (
レス) id: a91831a4da (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 拙さん» そう言っていただけて、嬉しいです！これからも御付き合い頂けると嬉しいです:) (2019年12月8日 17時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
拙 - こういうの凄く好きです。色々な人の心情が分かって面白いです。ルーピンもスネイプも大好きなので本当にありがとうございますｍ(｡≧Д≦｡)ｍ (2019年12月8日 15時) (レス) id: c3f8edfab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年10月26日 14時
