3話 ページ4
来客の予定もなく、お互いに特に納期の近いものがないある日のこと。
『絵、描こうかな』
うらた「だったら俺描いて!」
絵を描こうとしたらわっくんに自分を描けと言われた。
『えー?んー…、仕方ないから浦島坂田船描く』
うらた「俺だけじゃ……ダメ?」
きゅるるん。なんて効果音が聞こえそうな顔で見つめてくるわっくん。付き合っている頃はおろか、高校生の時もこんな顔をしておねだりしてきていたからか、あまりドキドキしなくなった。
『最近わっくんばっかり描いてるんだもん』
うらた「えー……」
『今日はわっくん以外の人も描きたいの』
そう言った瞬間、視界からわっくんの姿が消え、後ろから抱きつかれる感覚がした。
うらた「A、お願い。描いて…………?」
『っ………』
甘く、甘く囁かれてしまい、今日は他の人の絵を描く、と言う意思がぐらつき始める。
今日は絶対に甘やかしちゃダメ、と、心のなかで自分を叱咤する。それを感じ取ったのかいないのか、私を抱き締める腕に更に力を込めた。
『また今度、わっくんのためだけに描いてあげるから、今日は我慢して?ね?』
お腹に回されている腕を優しく撫でながら、小さく、それでもちゃんと聞こえる声量でわっくんに伝えると、
うらた「それなら、許す。でも、」
突然襲う浮遊感。
うらた「絵を描くのはまた明日。だから、今日は俺だけ見てて?」
勝ち誇ったような笑みで見下ろしてくる彼は、私よりも何枚も上手。
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レイナ(プロフ) - Leilさん» コメントありがとうございます!うちのうらたさんはツンとデレの割合がバグってるのでデレのほうが多いですね笑更新頑張りますね! (2020年6月6日 14時) (レス) id: 7097d7d88f (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 澪さん» コメントありがとうございます!おそまつさまです。これからも頑張りますね! (2020年6月6日 14時) (レス) id: 7097d7d88f (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 華美さん» コメントありがとうございます!彼氏にこんなふうに溺愛されたいものですね…… (2020年6月6日 14時) (レス) id: 7097d7d88f (このIDを非表示/違反報告)
Leil(プロフ) - ツンデレたぬきじゃない!デレデレや可愛い!って悶えましたw更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年6月5日 21時) (レス) id: e133e36e15 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - ごちそうさまです。うふふってなりました。すごく面白かったです!頑張ってください!応援してます! (2020年6月5日 19時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
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