逢引アクアリウム-4 ページ12
＊
「こんな魚くせぇところによくいられるな」
「──レ、レオナ寮長！？」
ガラスの向こうの海を眺めながら思いにふけっていた私を現実に引き戻したのは、情緒の欠片もない退屈そうな声だった。
私はレオナ様の姿を見て目を見開く。
運動着とアクアリウム空間。
あまりにもアンマッチな組み合わせだった。
「なぜここに……部活は？」
「はあ？ とっくに終わってるだろ」
「え！」
ラウンジ内の時計を確認すると確かに部活終了の時間は過ぎていた。
汗をかいていないところを見ると、あまり激しく動いてはいないようだ。
私の向かいに座ったレオナ様は、近くを通ったスタッフを呼び止めた。
「オイ」
「は、はい。ご注文でしょうか」
「肉」
「はい？」
「なんでもいいから肉の乗った料理を持ってこい」
「わ、わかりました」
なんて大雑把なオーダーだ。
態度も悪いし、ブラックリストに乗せられるレベルの客だ。
営業妨害だって追い出されないだろうか。
レオナ様はスタッフから私に視線を移した。
「期間限定のなんとかパンケーキとパフェは食ったのか」
「いえ、水槽に夢中でまだ……」
「じゃあそれも持ってこい」
「はい、えっと……浜辺のパンケーキとキラキラ貝殻パフェですね」
なんとかでわかるんだ……。
おどおどしながらもちゃんとオーダーを取っている君は偉いぞ。
「あの……なぜ僕が食べたがっていたものを知ってるんですか？」
「ラギーに聞いた」
「そうですか。ところでラギーは？ もうすぐ来るんですか？」
「さあ」
曖昧な返事をしてレオナ様は水槽に視線を移した。
「あの……どうして体操着のまま？」
「着替えに戻ったらお前がいなかったから」
「はい？」
わざわざ探しに来てくれたのだろうか。
いやいやいや。
夕食が用意されていないと気づいてここまで来たに違いない。
しばらくしてレオナ様の前にジューシーなステーキが、私の前にはパンケーキとパフェが運ばれてきた。
「アズールがトド先輩のためにすんげぇ高い肉用意したって言ってたよ。メニューにはない特別なヤツ」
運んできたフロイド君がそんなことを言っていた。
ここカフェなんでしょ?
なんでそんな高そうなお肉を提供してるの。
いったいいくらするんですかこの分厚い肉。
けれどそんなことに頓着のない第二王子様は、値段の確認もせず料理に手を付けた。
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月歌兄弟(プロフ) - タイトルの通り、読み手も困惑しておりこれは続編なしではみられません！続編待ってます！(意:めちゃくちゃ面白いので続き見たいです) (11月11日 16時) (
レス) id: 175212f014 (このIDを非表示/違反報告)
ぺあ - き゜ゃぁぁぁぁぁ！！()やっとね！！やっとね！！おほほほほ！！！(こんなにも面白い作品を恵んでくださりありがとうございます！) (11月4日 21時) (レス) id: 04768797e7 (このIDを非表示/違反報告)
こめお(プロフ) - 需要ありまくりです！！続き待ってます！！！！引き続き執筆頑張ってください！ (11月4日 13時) (レス) @page24 id: 121e674881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2023年10月21日 20時
