第3話 ページ3
ブラベウスが指をバチン！と鳴らした。
次の瞬間、強烈な真っ白い光りがスネイプを包み込んだ。
その光りは一瞬だけだった。
スネイプは恐る恐る目を開けた。
「!?」
スネイプは目を見開かせた。
見覚えのある場所に、スネイプは周囲を見渡した。
自分が今立っている場所には鮮やかな色彩りどりに咲く美しい花々が咲き乱れており、ここが少し小高い丘であることもすぐにわかった。
そして周りは深い森に囲われており、そのど真ん中にポツンと寂しく建っている建物を、まるで森が守っているかのように見えた。
そう、ここはーー。
ーーあれは………キノの……屋敷だ……。
「――そうです。ですが、現実ではありません――」
「？現実ではない？どういう意味だ？？」
「――ここは、キノ・ウランバルトの過去の世界です――」
「！？なんだとーーっ！！」
小さな女の子が、スネイプのすぐ側にいた。
小さな女の子がしゃがみ込んで、一生懸命にせっせと花冠を編んでいる。
「ーー………キノ………？」
スネイプが思わず呟いた。
どんなに幼くても、どんなに姿形が変わろうとも、スネイプにはわかる。
「――そうです。彼女の幼い頃の姿です――」
ブラベウスは幼いキノを見下ろして言った。
「――彼女の過去を知れば、あなたの覚悟が決まると思いますよ――」
「………」
まるで見透かされたような言い方に、スネイプは唇をギュッと噛んだ。
ーー……知っている……ブラベウスはキノが我輩に言った
過去の中の幼いキノは推定5歳くらいで、一生懸命花冠を作っている。
せっせと花を積んでは冠になるように編み込んでいく姿は愛らしかった。
美しさは変わらず、5歳の時点で美は完成されていた。
『できたっ！』
幼いキノが嬉しそうに立ち上がった。
「キノーーおいで」
そこに、これまた美しい顔の青年が少し離れたところに立って声をかけてきた。
推定17〜19歳くらいだろうか、キノに瓜二つの顔をした青年が、愛おしそうに見ていた。
「！まさか……」
初めて見る人物に、スネイプは息を飲んだ。
ウランバルト家の人間は本当に、人間離れしていた。
同じ男とは思えないほどの美貌に、スネイプは思わずたじろいでしまった。
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作者名：あっちゃん | 作成日時：2023年5月5日 9時
